「親切な人がうんこをとどけてくれた」
「おじいちゃんが、明け方にものすごい声量で『うんこ!』とさけんだ」
「私がうんこ担当の『運子田(うんこだ)』と申します」
何やら様子のおかしい例文で老若男女の心を鷲づかみにし、日本中に一大うんこブームを巻き起こした文響社の「うんこドリル」シリーズの発行部数が、2017年3月24日の刊行以来、約2年4カ月でとうとう累計500万部を突破してしまった。関係者は「次は1000万部だ!」とうんこを手に気勢を上げている。
小学校全6学年の全ての例文において「うんこ」を使用するという酔狂な仕掛けで世間の度肝を抜いたシリーズ。後に数々の類似品も生むなど、関係者一同、うんこを漏らすほどの社会現象となった。全6学年分の漢字ドリル(初版は計3万6千部)から始まったが、現在は「テスト編」や「算数ドリル」、幼児向けの「ひらがな」「カタカナ」などシリーズ点数は32点まで広がっているという。
「小6なのに涙を流すほど爆笑して、うんこドリルで勉強をする息子に少し焦りを感じてきました」(30代、女性、大阪)
「娘がとても大きなボリュームで例文を音読するため、うんこドリルをやるときは窓を閉めるよう厳しくしつけています」(40代、女性、埼玉)
「年長の息子はひらがなが書けるようになったことが嬉しいようです。同居している祖母に毎朝うんこの例文を書いて手渡しています」(30代、女性、福島)
など、同社には今も、複雑な心境ながらも子供の学ぶ意欲を喜ぶ読者はがきが毎日のように届いているそうだ。
500万部突破の報を受け、著者の古屋雄作さんは「小、中、高と、友人たちが少しずつ『うんこ』ではしゃがなくなっていくのを寂しく感じながら、ぼくはうんことお別れできないまま大人になってしまいました。でもそのおかげで今、全国500万人の子どもたちとうんこで繋がることができました。本当にありがとう、うんこ!次は1000万部。まだまだきみのことを書き続けます」と謝辞を寄せた。
また、同社うんこ編集部の正木寛子編集長は「うんこの根強い人気に驚かされています。次々に作りたいドリルのアイデアが生まれて夢は膨らむばかりです。チーム一丸となって、子どもたちの心をつかむ楽しい教材を急展開していく予定ですので、今後もよろしくお願いいたします!」とコメント。これからは幼児向けドリルの拡充のほか、英語や中高生用ドリルなどシリーズ120点に向けて突き進んでいくという。
…と、サラッと流してしまったが、「うんこ編集部」って何なの。