悲惨な交通事故から子どもを守りたい-。そんな思いが、人気教材「うんこドリル」と結びつき、うんこと密接に絡めながら交通安全を学べるオンラインの「ドリル」と「ゲーム」が誕生した。そんなドリルやゲームに、統計的に最も事故に遭いやすい小学1年生と、京都新聞社で自他ともに認める「うんこ好き」の私がトライしてみた。子どもたちは、大好きなうんこに気を取られず、きちんと交通安全について学べたのだろうか。
小1の2人と一緒に挑戦
うんこ交通安全ドリルとゲームは、「うんこ漢字ドリル」などを刊行する出版社「文響社」(東京都港区)と、子どもの交通事故防止に取り組む一般財団法人「トヨタ・モビリティ協会(豊田章男理事長)」が共同開発した。いずれもインターネットで無料で楽しめる。
チャレンジしたのは、私の小学1年の娘(6)と、近所の同学年の男児(6)。まず、文響社運営のサイト「うんこ学園」にアクセスする。うんこがPC画面に多数出現する。「ぐふふふふ…」。子どもが押し殺した笑いを発する。まだ問題文ちゃうぞ。
まずは低学年向け。執拗に設問に絡むうんこ
低学年向けの「ドリル」は2択式だ。「草むらから道路にうんこがとんででてきました。どうしますか?」。ぎゃははははは。子どもたちが爆笑する。
選択肢は「ようすをみる」「追いかけてつかまえる」。子どもは笑いながらも「ようすをみる」を選ぶ。
「家の近くで急ににうんこがもれそうになりました。どうしますか?」。選択肢は「走って帰る」「もれてもよい。気をつけて帰る」。これは難問だ。
子どもたちは前者を選んだが、不正解。「えー、漏らしてもいいん?」。突っ込む小1。「子どもの事故は、油断しがちな家の近くの道で多い」との説明が画面に現れる。これは、大人も勉強になる。どうしてもアカンときは、硬軟問わず、安心して漏らして帰ってきなさい。
中高学年向けもノリは同じ
次にオンラインゲームをやってみる。これも2択式で、1ゲームで15問回答する。中高学年向きだという。
「子どもが手を上げながら道を渡っています。なぜ」。選択肢は、「うんこが漏れそうだから」「運転手からよく見えるように」。
これは低学年向きでは…。小1の子どもたちも笑いながら正解を選ぶ。
ただ、「心臓マッサージで押す場所は?」などのやや高度な問いもあり、小1の知力では全問正解しにくい。子どもたちは見事にうんこにはまり、何度も繰り返しトライしていた。
うんこで社会貢献、うんこ事業部の思いとは
なぜ「うんこ」で交通安全教材を作ることになったのか。
文響社はもともと、教育系出版社ではなく、2017年3月発行の「うんこ漢字ドリル」が初の学習教材だ。その「うんこドリルシリーズ」が大ヒットし、2021年4月15日までに850万部を売り上げた。
2019年10月からは、官公庁などと連携し「防災」「お金」などの社会的な分野にも進出。うんこと子どもの親和性を生かし、イベントやゲームなどを手がけるようになった。
文響社うんこ事業部うんこアンバサダーの石川文枝さん(31)は、「交通安全は学校で習うこともあるが、どうしても堅いイメージがあります。うんこのドリルとゲームを使って、クスッと笑いリラックスしながら、自然と交通安全の知識を吸収していただければ。家族やお友達と一緒に遊べば、会話のきっかけにもなりますよ」と話す。
うんこ交通安全ドリルとゲームは、同社運営のホームページ「うんこ学園」内で楽しめる。