アイス自販機の隣に「渋さ」が異彩放つ自販機が出現 通学途中の高校生も利用する魅惑の品ぞろえとは?

京都新聞社 京都新聞社

 京都市右京区京北地域に一風変わった自動販売機がある。扱っているのは地元特産のみそや納豆だ。新型コロナウイルス対策で対面を避けた新たな販売スタイルで、近隣にある病院の関係者らが利用するなどひそかに話題となっている。

 自販機は京北田貫町の府道沿いの自販機コーナーにある。隣の飲料やアイスクリームなどの派手な色使いの自販機と比べ、「渋さ」が異彩を放つ。地元で生産している原料にこだわって食品を作る農業生産法人「山国さきがけセンター」が、市のコロナ対策の補助金を活用して1月に設置した。

 約20種類の商品のうち一番の売れ筋商品は、大粒の納豆で塩を付けて食べる「山国納豆」。納豆を餅につきこんだ伝統食の「納豆もち」は食べやすい切り餅にして販売している。京都産の大豆と米を使用した「まごころみそ」も。欲しい商品の番号を押すと中のアームが動いて取り出してくれる。

 緊急事態宣言で道の駅「ウッディー京北」(京北周山町)が5月末まで休業した際には、行き場をなくしかけた商品の販路としての役割を果たした。優しい風味で人気の「みそカステラ」を、期間限定で価格を割り引いて販売すると、すぐ品切れになることもあるなど、自販機の売り上げが前月より2割ほど伸びたという。

 設置以来、近隣にある京北病院に勤める人や北桑田高に通う生徒の利用が目立つといい、田中章仁社長(75)は「他の自販機と並べて置いているので、利用した人の口コミで評判が広まったらうれしい」と話している。同センター075(853)0572。

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