「映画協賛してくれたら動画作ります」映画出演者らが異例の取り組み

浅井 佳穂 浅井 佳穂
映画の主演で動画にも出演する辻さん(右)と大森さん=京都市中京区・京都新聞社
映画の主演で動画にも出演する辻さん(右)と大森さん=京都市中京区・京都新聞社

 無声映画を制作するための協賛金を企業から募り、そのお返しとしてオリジナル企業PR動画を提供する取り組みを、京都の映画プロデューサーや俳優らが行っている。関係者は「多くの人が企業と出会うきっかけとなるような動画を作りたい」と意気込む。

 取り組みを行うのは今秋、京都で9月にクランクインする予定の無声映画「I AM JAM ピザの惑星危機一髪」の製作メンバー。映画は、コメディエンヌを目指す女性が目覚めるとピザの惑星にたどり着いた-という物語。プロデューサーの岡本建志さん(45)=西京区=によると、映画の製作や配給には約2500万円が必要とみられ、このうち約1千万円を企業からの協賛金でまかなう計画だ。

 岡本プロデューサーの発案で、1企業あたり80~100万円程度の協賛金を募り、返礼品としてオリジナル企業PR動画を作ることにした。

 PR動画は、映画本編に主演する京都造形芸術大(現京都芸術大)出身の女優、辻凪[なぎ]子さんが出演するサイレントで長さ2分20秒。関西でただ一人の活動写真弁士、大森くみこさんによる解説も収録する。10月まで協賛企業を募り、さらに動画製作を担うクリエイターを募集する。11、12月に企業とクリエイターのマッチングを行い、来年1~3月に動画を撮影してもらう。

 来年5月には、京都市内の映画館でコンテストを兼ねた上映会を実施する。コンテストの優勝者には賞金を贈り、気鋭の映像製作者を応援する考えだ。

 辻さんは「動画を面白くするため最善を尽くしたい」とアピール。大森さんは「活動写真弁士の解説やナレーションは古くて新しい京都にぴったりの表現技法です」と魅力を語る。

 企業協賛金に関する問い合わせは「I AM JAM ピザの惑星危機一髪」のホームページの問い合わせフォームで受け付ける。

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