和のテーマパークでカウボーイになれる 伊勢忍者キングダムが乗馬クラブを開設

山本 智行 山本 智行

 和のテーマパークとして知られる「ともいきの国伊勢忍者キングダム」(三重県伊勢市)では気軽に乗馬やトレッキングが楽しめる乗馬クラブ「ホースマンズクラブ」を敷地内に開設し、注目を集めている。国内のほとんどがブリティッシュ乗馬なのに対し、こちらのウエスタン乗馬は極めて希。あなたもカウボーイ気分を味わってみませんか。

 コロナ禍による閉塞感が漂う中、乗馬を楽しみたい、馬に乗って自然の中を歩きたいという人たちは多いのではないだろうか。しかし、乗馬クラブというと何となく敷居が高いイメージがあり、乗馬を経験した人はほとんどいないのではないだろうか。

 そんな人たちの希望をかなえようと、伊勢忍者キングダムでは気楽に乗馬ができ、トレッキングを楽しめる「ホースマンズクラブ」を立ち上げることとなった。乗馬施設の担当者はこう話す。

 「昨年から引き馬や餌やり体験などを始め、人気コンテンツのひとつになっていました。しかし、短時間の引き馬による乗馬体験だけではなく、もっと長く乗りたい、もっと本格的に覚えたい、馬に乗って自由に山を歩きたいという要望があり、その期待に応えたものです」

 この乗馬クラブの大きな特徴は、カウボーイから生まれたウエスタンスタイルを柱にしているところ。すでにゴールデンウイークから新企画をスタートさせた。伊勢忍者キングダムのシンボル、安土城天守閣前へ引き馬トレッキングで登り、騎乗したまま天守閣前で写真撮影。その後、隣接した馬場でウエスタン乗馬のミニレッスンを受けるメニューだ。

 また、もっと本格的に習いたい人のために、6月中旬からウエスタン乗馬のトレイルのレッスンを開始する予定だ。乗馬クラブでは「入会して継続的にレッスンを受けることができる会員制のシステムを基本としていますが、1日だけの体験レッスンも用意しています」と話す。

 ウエスタン乗馬のトレイルは大自然の中、荒野を馬で移動する技術や、カウボーイが牧場で仕事をする上で人馬一体となる技術に由来している。国際的な競技にもなっているが、国内の乗馬クラブの8割程度が英国発祥で格式を重んじるブリティッシュ乗馬なので、ウエスタン乗馬のトレイルを練習できる場所は稀である。

 実際、伊勢忍者キングダムの天守閣前の馬場には横木や起伏、細い道、模擬橋などを人工的に設置して、トレイルの技術を高めるレッスンを実施する。自然の中を自由に乗馬トレッキングするには最適のもので、ある程度の技術が身につくと馬場の外に出て、山道で馬を操作しながら移動することに挑戦できる。

 担当者は「将来的には伊勢忍者キングダム以外にも練習場を増やして、米国のウエスタンの乗馬協会などと提携し、講師を招いてのセミナーも企画したい」と意気込んでいる。

 また同施設では、これまで2頭のサラブレッドをけい養するなど引退した競走馬の救済にも協力している。これは引退馬の大半が実は殺処分されているという現実を見据え、なんとか問題を軽減し、解消していこうとする活動。実際には引退馬を安全に乗馬に使えるよう再調教して、余生を守ろうという試みだ。

 ただし、すべての引退馬がウエスタン乗馬に向くわけではないので、馬場での単純な基礎練習を担当してもらう事となる馬も多いが「適材適所を見つけて1頭でも多く馬の命を救いたい」と話す。

 それにしても、和のテーマパークの天守閣前で、カウボーイの乗馬を練習するというのは既成概念を破ったユニークな試み。乗馬ファンにとって新鮮な風として受け止められそうだ。

伊勢忍者キングダム https://twitter.com/horseIseNinjya1

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