「外は天国で、中は地獄だった」
こんなポストをされたのは、はせ 世界一周(@hase_dreaming)さん。
投稿された写真には、白く輝く寺院の前に立つ人物と、足元に無数の“手”が伸びるような不思議なオブジェが広がる光景が写されています。まさに異世界を思わせるような雰囲気で、外観とのギャップも強く印象に残る場所です。投稿には、驚きと行ってみたいという声が多く寄せられました。
「ここ本当に天国と地獄の対比すごい…」
「白い寺院めちゃくちゃ綺麗!」
「手が伸びてる場所こわすぎて行ってみたい」
「タイにこんな場所あるんだ!」
ポストをされた、はせ 世界一周さんにお話を伺いました。
実際に訪れた人に聞いた
ーー写真はどこで撮影されたのでしょうか?
「これはタイのチェンライという都市にあるワット・ロンクンという寺院です。
2025年の11月上旬に撮影したものです」
ーー独特な雰囲気の寺院ですが、どのような意味を持つのでしょうか?
「この白さは仏教の清浄さや宇宙をくまなく照らす意味があるらしく、そこに辿り着くまでには輪廻転生の橋と血の池を通らないといけません。血の池には金銭欲や物欲にまみれ成仏できずにいる魂があるとされているそうです」
ーー世界中を旅されているようなのですが、今回のポストの場所を訪れるきっかけなどはあったのでしょうか?
「タイのチェンマイで開かれるコムローイという祭りに訪れる機会があって、チェンマイに滞在していました。ゲストハウスで知り合ったコロンビア出身の子と仲良くなって、凄い建物があったよと教えてくれました。
写真を見せてもらったらとても美しく、これは実際に自分の目でみたい!と思ったので行くことにしました」
ーー「外は天国で、中は地獄だった」と感じたのは?
「外観はパッと見ると寺院もまだ真新しいため、煌びやかで、寺院の周りの池には色とりどりの鯉が優雅に泳いでいました。それらから何となく天国のような印象を受け取りました。
中に入ると、入り口の両脇はまるで地獄からたくさんの手が出ているような風景で、最初の外観とは真逆の印象を受けました」
ーー写真に写っている建物や装飾には独特の雰囲気がありますが、実際に目にしたときの第一印象は?
「外からは天国に見えるほど美しく、周りにカラフルな鯉なども泳いでいて、とても綺麗で美しいなぁと思いました。
ところが中に足を踏み入れてみたら、まさかの地獄に引き込もうとする手の数々…しかも手をよく見るとそれぞれの手が何か訴えてるかのように叫び声が聞こえて来そうなほど恐ろしかったです。
天国と地獄という表現がまさに相応しい、天国と地獄という対極にあるものを一つの建築物から味わえて感動でした」
ーー撮影された際の状況や構図のこだわりなどがあれば教えてください。
「コムローイ祭りの後というのもあって、数百人以上の数の観光客がいました。構図は特にこだわりはないのですが、かなり人が多かったので、現代の人がそこに入ってしまうと天国と地獄と相容れない感じがあったので、人があまり映らないように注意していました。」
ーー写真には細かい彫刻や手の表情が見えますが、特に心に残った部分は?
「地獄のエリアは少し恐ろしい部分もあったので、あまりまじまじと見ていなかったのですが、写真を確認すると、手に微細な違いがあることに気がつきました。赤いネイルをしている手があったり、何かのポーズをしているような描写であったり。それぞれの手にどんな感情が込められているのかを読み解くのが面白かったです。」
「ワット・ロンクン」は、チェンライ出身のアーティストであるチャルーンチャイ・コーシピパットさんが仏教や神話をモチーフにデザインした寺院で、別名「ホワイト・テンプル」とも呼ばれています。真っ白なデザインの建築は斬新で、独特のアートセンスが多くの人々を惹きつけている観光名所です。
はせ 世界一周さんは「700万人近くの人に見ていただくことができてとても光栄です。この投稿がきっかけで、『ここ死ぬまでに絶対行きます!』とか『こんなところがあるんですね!見せてくれてありがとうございます!』などと返信しきれないほど沢山のコメントをいただきました。
僕は自分の投稿を通して、知らない世界を知ってもらい、海外に興味を持って一歩踏み出してもらえるようになったらいいなと考えているので、その一助になったら大変嬉しいです。
これからも死ぬまでにやりたいことリストを達成しながら、みなさんに世界の素敵な景色を届けて行きたいと思っています」と話してくれました。
外観は白く輝く“天国”のような寺院。しかし一歩足を踏み入れると無数の手が伸びる“地獄”の造形が迎える。
一つの寺院の中に対極の世界観が共存し、これほどまでにドラマチックな体験ができる場所は他にありません。
はせさんが語る「知らない世界を知ってもらいたい」という思いが、今回の写真からも強く伝わってきました。