春に欠かせない「三色団子」はなぜ「ピンク・白・緑」なの?色と順番に込められた先人の願いと「5つの説」

金井 かおる 金井 かおる

 花見団子や三色団子と呼ばれる、春には欠かせない3色の串団子。桜を愛でながら菓子を食べる風習は江戸時代から始まり、3色のお団子もこの頃に生まれたといわれています。米粉に食紅や抹茶パウダーなどで色付けしたピンク、白、緑の色にはそれぞれ意味がありました。

三色団子に5つの説

 「お花見団子の3色の意味は諸説、5説くらいあります」と教えてくれたのは、日本和食卓文化協会(東京都世田谷区)の代表理事、槻谷順子さんです。

 「お花見団子は春の桜のお花見の頃の庶民の和菓子です。串の先から、ピンク、白、緑の三色の串団子です。日本人は昔から食べ物でたくさん縁起をかつぎ、幸せを願ってきました」(槻谷さん)

(1)春待ち説

 降り積もった雪の下に芽吹く新芽、雪が溶け春を迎え花が咲く、という待っていた春がやってきた喜びを表している

(2)ひな祭り由来説

 ピンクは桃の花、白は白酒、緑はよもぎ、の菱餅の色に合わせている

(3)邪気払い説

 紅白は魔除け・邪気払い、緑のよもぎにも邪気払いの意味がある

(4)日本の四季説

 ピンクは花で春。白は雪で冬。緑は新緑の夏。秋がないのは、何度食べても「飽き(秋)ない」。日本の和食卓文化にはダジャレや掛詞がつきもの

(5)桜景色説

 ピンク=桜が咲き、白=散った花びらで真っ白に、緑=葉桜

 桜は満開の時期が過ぎても、花筏や小道を覆う花びらのじゅうたん、葉桜なども趣があります。3色の意味を想像しながら味わってみたいですね。

▽槻谷順子さん…フードスタイリストで食卓文化研究家。2017年日本和食卓文化協会を設立。和食の食卓文化を学ぶ日本唯一の資格「日本和食卓文化マイスター」の認定を行う。オンラインマイスター講座やオンライン授業セミナーもある。3月からは気軽に和食卓文化を知りたい人向けに「無料オンライン和食卓文化モノシリスト検定」を開始。

日本和食卓文化協会サイト:https://www.nihonwasyokutakubunka.com

江戸生まれ…最近はコンビニやカフェからも続々

 ローソンストア100(本社、東京都品川区)は3月25日、「渾身の一本!三色だんご(餡入り)」(税込108円)を数量限定で発売。常識外れの大きさの和菓子シリーズ「渾身の一本!」のみたらし団子やおはぎなどに続く第4弾。「全長約12cm、幅約5cmの大きな『三色だんご』を、今年の『ソロ花見』のお供に」(同社)。

 「ザ ストリングス 表参道」(東京都港区)1階にある「ZelkovA Cake Boutique(ゼルコヴァ ケーキ ブティック)」では4月26日から、自宅で本格的なアフタヌーンティーを楽しめる「ストリングス テイクアウト 抹茶アフタヌーンティー」を販売予定。3段のアフタヌーンティースタンドに三色団子も並びます。スイーツ8種、フード3種、TWG社の紅茶2種。1セット2人分8000円(税込)。

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