暗黒『ボヘミアン・ラプソディ』!?教会放火、殺人、自殺…悪魔メタルの血塗られた実話描いた監督に聞く

石井 隼人 石井 隼人

実在のバンドを追ったストーリー構造から、日本でも大ヒットした『ボヘミアン・ラプソディ』のブルータルな暗黒版との評価もある。「たしかに言いえて妙かもしれません。エルトン・ジョンの半生を描いた『ロケットマン』にもダークな部分はありますが、『ロード・オブ・カオス』はダークのベクトルが違う。その意味では、近年製作された音楽映画の中ではすべての面において勝っている…というのはもちろんジョークですが、実話を映画化するのは“本当”をいかに“リアル”に映し出すかということ。難易度の高いチャレンジングな作業ではありました」。冗談めかしつつも、力作であると胸を張る。

MAYHEMはブラックメタル界のオリジネーターとして現在も精力的に活動中。今やブラックメタルという音楽ジャンルはアンダーグラウンドから抜け出し、世界的な成功を収めるバンドも少なくない。その勃興の一端を担った、今は亡きデッドやユーロニモスはこの状況をどう見るだろうか。

「短い人生の中で巨大なクリエイティビティを発揮した二人ですから、もし長生きをしていたらどれほどの偉業を成し遂げたことか…。デッドは類まれなる才能を持ち、ユーロニモスはレコードレーベルを立ち上げる行動力もあった。トゥルー・アーティストは創造を止めないものです。もし彼らが生きていたとしたら?彼らの活躍を私自身も見てみたかったですね」。アカーランド監督は、ブラックメタルに殉じた二人の早すぎる死を悼んでいる。

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