これがジオラマ?
閉館した映画館を限りなく精巧に構築したジオラマの画像がSNS上で大きな注目を集めている。このジオラマを制作したのはプロのヨーヨープレイヤーで模型、ジオラマ制作も手がけるタカツさん。
すすけた外壁、錆びついた自動販売機に積もった落ち葉…閉館した映画館のもの悲しい雰囲気がありありと表現されているこのジオラマだが、いったいどのような背景で制作されているのだろうか?
タカツさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):2枚目はタカツさんの手が写っているのでいるのでジオラマだとわかるんですが、1枚目は本物ですよね?
タカツ:写真は両方ともジオラマです。このジオラマは実在のモデルはなく、全く架空の場所です。ただ、リアリティを持たせるために実際に建っていた場所や営業していた年代、閉館した年なども設定してます。
中将:どっちもジオラマでしたか!凄まじいクオリティーですが、やはりそこまでこだわった上で制作されているんですね…。タカツさんがジオラマ作りに携わられるようになったきっかけ、ジオラマ作りの魅力をお聞かせください。
タカツ:元々はプラモデルを作っていて、それの一環でジオラマをやるようになりました。外に出て実際の建物バックで写真を撮影したりしてたところ、その背景も含めて模型で作りたくなってしまい今日に至ります。
ジオラマ制作の魅力は、この小さい世界の中に自分だけのこだわりを詰め込めることです。その中で説得力を持たせるために電柱やガードレールなど細かい部分を調べるうちにそれらが大好きになってしまうのも魅力のひとつだと思っています。
中将:今回のジオラマを作るに当たり、こだわられている点、ご苦労された点をお聞かせください。
タカツ:こだわってる点は、時代の流れに取り残された「異世界感」を表現できたらと思い、そのために少しじめっとした空気感や埃っぽさを出してます。ただ、それだけですとただの廃墟になってしまうので、もう少し人間味を持たせたくて、映画館の館長がこの映画館を古いながらも大事にし、営業していた頃は手入れが行き届いていたという設定にしてます。そのため、過度な汚しはしないように、あくまでも経年劣化ということがわかるような汚しを心がけて、閉館後、人の手が入らなくなってから汚れている感じを意識しました。
苦労した点としては、ツイートの写真ですと写ってないのですが、実は電柱も設置しておりまして、町の規模や映画館に供給する容量、また、その地域の規格を考慮して設計しています。電柱に関しての知識は全くなかったので資料集めなど含めて苦労しました。
中将:設定だけでもドラマの時代考証並みの気の配りようですね!今回のご投稿に数々の絶賛のコメントが寄せられていますが、反響へのご感想をお聞かせください。
タカツ:多くの方の目に触れたことを大変光栄に思います。また多くの嬉しいコメントもありがとうございます。
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タカツさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは「こういうの見るとジオラマ作りたくなるな~って思って見てたら、すでにジオラマだったんですね!すごい」「すごいですね…!2枚目がなかったら完全に騙されるところでした(笑)」「1枚目の画像を見たときに"この写真を参考にジオラマを作ろうってこと??"って思ってしまいました」など数々の絶賛のコメントが寄せられている。今後のタカツさんのジオラマ制作活動に期待したいものだ。