医療逼迫、豊田真由子が考える「できること・すべきこと・すべきでないこと」

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

考慮すべき点

しかし、この問題は、「病院はもっと受け入れる努力をすべき」という単純な話ではありません。

・病院は、新型コロナ以外の疾病の患者さんも治療・入院・手術などをしています。後回しにすることで、病状悪化や死亡につながるおそれもあります。

例えば、日本脳卒中学会の調査(2020年12月14日時点。脳卒中の救急患者を受け入れている全国970余りの医療機関のうち、700余りの施設が回答)によると、回答があった医療機関のおよそ2割にあたる131の施設で救急患者の受け入れ要請を、一部断るなど診療に影響が出ており、このうち13の施設では、受け入れを完全に停止しているとのこと。

(理由は、病院内で新型コロナのクラスターが発生したこと、スタッフやベッドが新型コロナウイルス対応に割りふられ、体制が縮小していること、新型コロナを受け入れていない病院では、搬送されてきた患者が新型コロナに感染していた場合に転院先が見つからない場合が多いため、そもそも受け入れを断っている、など)

・特に民間病院では、経営悪化や風評被害等の影響が深刻です。

・高いリスクの中で全力を尽くされている医療従事者の方は大勢いらっしゃいます。ただ、現在受け入れをしていない場合に「受け入れをすべき。医療従事者なのだから、自分や家族の生命や健康がリスクに晒されることは、すべからく甘受すべき」と言えるのかも、非常に難しい問題でもあります。

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