米国で、2500マイル(約4023キロ)の大冒険をして、奇跡的に飼い主の元へ戻った猫がいる。米ワシントン州サーストン郡に住むクリスティーナ・クレベンジャーさんの飼い猫で「パンダ」くんだ。
クレベンジャーさんは、これまで、パンダくんには外へ出ることを許していた。必ず家に戻ってきていたからだ。しかし、10月半ばのある日、パンダくんは外に遊びにいったきり、家に戻ってこなかった。クレベンジャーさんは、家のまわりを探してまわり、フェイスブックにも投稿した。しかし、これといった情報は得られず1週間が経過し、クレベンジャーさん一家はあきらめかけていた。
パンダくんは姿を消してから10日以上が経過した10月24日に、なんと4000キロ以上も離れたアラスカ州のホーム・デポという小売店で発見された。ワシントン州からアラスカ州に移動する輸送トラックに乗っていたらしい。小売店の従業員は気を利かせ、トラックの出発地であるワシントン州シアトルエリアのオンラインの迷い猫情報に、パンダくんの写真を投稿した。
なんと、この投稿をクリスティーナさんの叔母さんが発見。
パンダくんは、10日以上も飲まず食わずのままトラックの荷台にいたはずで、健康状態の心配があった。
パンダくんが行方不明になってからクレベンジャー夫妻の相談に乗ってきた非営利団体で動物の緊急事態のために資金集めをしている『ユナイテッド・エンジェルス』のD.Dポンダーさん(匿名)が助け船を出した。現地での獣医の診察と処置、アラスカから飼い主の元に戻ってくるための交通費の寄付を募って資金を集めた。
パンダくんは4000キロの旅を終えて、今は無事にクレベンジャーさんの元に戻っている。奇跡の生還劇と現在のパンダの様子をクリスティーナさんに聞いた。
−−この奇跡的な出来事についてどう感じていますか。
「私たちはD.Dポンダー(ユナイテッド・エンジェルス)さんには感謝してもしきれません。ユナイテッド・エンジェルスの彼女は、私にとっては天の恵みです。この話のミラクルは、彼がアラスカまで生きて旅をし、そして、さらに奇跡的に家に帰ってきたことです。この全ての経験がわたしたちにとって素晴らしいものであり、学びになりました。パンダは再び同じことが起こらないように今は外に出られなくなっていますが(笑)」
−−SNSの力が大きかったようですね。
「ソーシャルメディアは神からの贈り物でした。そこではみなさんがすばらしく、できる限りの全ての方法で助けてくれました。我々のベイビーが家に帰ってくるのを手伝ってくれたみんなには言葉では言い尽くせないほど感謝しています」
−−見つからなかった期間はとても心配されたと思います。
「正直に言って、私は最悪な状態でした。手綱を握ってくれたのはD.D・ポンダーで、全てのことを可能にしてくれました」
−−今、パンダくんはどうしていますか。
「彼は今、すばらしいですよ。私たちが彼を取り戻したときには、少し体重が減っていたのですが、ここ数週間で元に戻っています。愛されて、とても甘やかされていますし、家にいるのが幸せなようです。大きな音はまだ怖がっているようですが、また、車に乗るようになりました。外にも行きますが、今は犬のように歩かされています。外に自由に出してもらえないこと以外(笑)は、彼はとてもすばらしく過ごしています」