真っ赤なバケツに入れて捨てられていた子猫たちがいた。発見、保護された当時、既に4匹の猫を飼っていた山本さんは、最後に迎える5匹目の猫は保護猫にしようと思っていたのだが、縁あって子猫たちの話を友人から聞いた。
バケツに入れて捨てられていた子猫
2016年4月、子猫のぽんずちゃんは、名古屋市内にある大きな公園の池のほとりに赤いバケツに入れて捨てられていた。バケツには5匹の子猫が折り重なるように入っていた。
5匹のうち2匹は、たまたま公園に来ていて、その場に居合わせた人が引き取ったが、残る3匹は保護主さんが保護した。
愛知県に住む山本さんは、新たに猫を迎えようと思っていたところだったのだが、友人からぽんずちゃんたちの話を聞いた。
小さな猫を育てられるのか
山本さんは4匹の猫と暮らしていたが、夫婦二人で責任を持って飼えるのは5匹までと決めていた。山本さんは、猫の一生のことも考えて、生涯かかるであろう医療費も計算してから迎えることにしている。
4匹の猫は、ペットショップで売れ残って大きくなった猫を迎えたが、最後の1匹は、保護猫の里親希望者として登録し、縁のあった子を迎えようと思っていた。そこに、ぽんずちゃんたちの話がちょうど舞い込んできた。
「写真のぽんずは黒い鼻に茶色のブチがあって、可愛かったんです。他にも猫はいたのですが、会う前からぽんずにしようと決めていました」
5月下旬、山本さんは、保護主さんの家までぽんずちゃんを見に行った。ぽんずちゃんにも声はかかったが、譲渡にはいたらず残っていた。
「特に子猫がいいとか成猫がいいとか考えていなかったのですが、ぽんずみたいに小さな猫を飼うのは初めてで、ちゃんと育てられるのか心配でした。キャットフードは食べられましたが、病気になって死んでしまったらどうしようと思ったんです」
上の子が下の子の面倒を見る
6月16日、山本さんはぽんずちゃんを迎えた。保護主さんの家で会った時は、抱っこすると緊張と恐怖から引っ掻いてきたぽんずちゃんだったが、最初、シャーっと言っただけで落ち着いていた。
先住猫のミュウくんがぽんずちゃんにくっついて、グルーミングをしていたのだが、2匹は気付くといつも一緒にいた。
「血はつながっていないのですが、いつも上の子が下の子の面倒を見てくれるから助かっているんです。危ないところに行くと怒ったり、誰かにちょっかいを出しているとお姉ちゃん猫が怒りに行ったりするんです。いつも後から来た猫が何をするのか見ているのが分かります」
5匹の猫は、家猫だが序列があって、コミュニティができている。