認知症患者20年後は1000万人弱? 認知機能低下予防にたんぱく質の摂取が効果的

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近年、高齢化が進んでいる日本では、認知症患者が年々増えている。厚生労働省のデータによると、2012年における認知症患者は462万人で、2040年には約2倍の953万人となり、その20年後には1154万人にもなると予測されている。

認知機能低下が進むと認知症につながる可能性が高まるが、認知機能低下予防に効果的なことがいくつかある。例えば、魚に含まれるDHAを摂ると脳に良いという話は有名だが、認知機能に関係するのはそれだけではなく、研究者が食生活と認知機能の関係性について調べた結果、たんぱく質を多く摂取している人は認知機能低下のリスクが低いということがわかってきた。

アルブミン値と認知機能

東京都健康長寿医療センター研究所の研究によると、赤血球数・HDLコレステロール値・血清アルブミン値の3つの指標が、認知機能低下と強く関係していることがわかった。それぞれの数値を「高い」、「普通」、「低い」に分けて、性別や年齢、既往歴、歩行機能の影響などを除外した上でのリスクを調べたところ、「高い」群に対する「低い」群の認知機能低下のリスクは2倍以上にもなる。アルブミン値は栄養状態の指標の一つで、たんぱく質の摂取量が不足するとアルブミン値も低下することが知られている。

食の多様性と認知機能

国立長寿医療研究センターの研究によると、様々な食品群の食材を食べている人ほど、認知機能低下のリスクが抑えられるという。摂取する食品に多様性がある人は、ない人に比べ、たんぱく質や脂質、ビタミン類などの様々な栄養素の摂取量が高くなっていたため、これらの栄養が脳の機能維持によい効果をもたらしたと考えられる。

年齢を重ねるごとにたんぱく質摂取量は不足!?

認知機能低下予防には、たんぱく質摂取が効果的であることがわかったが私たちのたんぱく質摂取量は足りているのだろうか?

厚生労働省が発表している「国民健康・栄養調査(平成30年)」の結果では、日本人のたんぱく質摂取量の平均値は摂取推奨量を上回っている。しかし、平均値と標準偏差から摂取推奨量(男性60g、女性50g)を摂取できていない人の割合を計算すると、65歳~74歳の男性は約20%、女性は16%も存在している可能性が明らかに。そして年齢が上がるにつれ、この割合は増加していて、80歳以上では男女とも約30%の人にたんぱく質摂取不足の可能性がある。日本人は年齢を重ねるごとにたんぱく質摂取が不足する傾向にあり、普段から、たんぱく質を意識して食事をすることが必要である。

1日3食、たんぱく質をバランスよく摂取する

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取量基準(2020年版)」では、成人の男性は1日60g、成人の女性だと1日50gのたんぱく質を摂取することが推奨されている。そのため、1食あたり20g以上の摂取を意識すると、1日に推奨量以上のたんぱく質を摂取することができる。しかし、忙しい毎日の中で、朝食は簡単に済ませてしまうという人が多い。日本人の食事を解析した結果、朝食と昼食のたんぱく質摂取量は夕食よりも少なくなりがちであることがわかった。朝食や昼食でたんぱく質を多く摂取することに加え、バランスの良い食生活を心掛けたい。

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