インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行が懸念される冬を前に、大塚製薬がビタミン&ミネラルと免疫に関するプレスセミナーをオンラインで開催。ビタミンD研究の第一人者で神戸学院大栄養学部の田中清教授と、管理栄養士の浅野まみこ氏が登壇した。
田中教授は、ビタミンDと免疫の関係について説明。カルシウム吸収促進が大きな役割のビタミンDだが「免疫系にも大事な役割をしている」と強調した。免疫の働きを高めるだけでなく、感染症や重症化予防において重要な意味を持っているとしながらも「日本人全体にビタミンDが足りていない」とした。
浅野氏はコロナ禍で在宅勤務が増加する中、人々の食生活にも変化が出ていると指摘。健康意識が高い人と、そうでない人の格差が生まれつつあるとし「健康意識をどう高めていくかが課題」だと強調した。健康意識が高い人から注目され、重要な役割を持つビタミンDが「きのこ類、魚類といった限られた食材に含まれ、不足しがちな栄養素」とし、手軽に摂取できるビタミンD豊富な〝免疫アップレシピ〟として3つを紹介した。
▽きくらげの麻婆豆腐
きのこ類でビタミンDが特に多く含まれるきくらげと、ビタミンB群が多く含まれるとうふ、豚肉を合わせた「きくらげの麻婆豆腐」。浅野氏は「市販の麻婆豆腐ときくらげを合わせてレンジでチンするだけでも、ビタミンDを摂取できる」と提案した。
▽鮭とまいたけのマヨヨーグルト炒め
ビタミンDの含有量が、魚類でも高い鮭とまいたけを合わせた「鮭とまいたけのマヨヨーグルト炒め」。マヨネーズを減らす代わりにヨーグルトを加え、低カロリーでコクを出している。白ごまや、火を止めた後で輪切りのレモンをあえることで亜鉛やビタミンCが効率的に取れるという。
▽ご馳走マグロのポキサラダ
「ご馳走マグロのポキサラダ」は、まぐろの赤身よりもビタミンDが3倍含まれるトロとアボガド、トマトをあえてサラダ仕立てにすることでビタミンEやC、体内でビタミンAに変わる性質のベータカロテンも均等的に摂取できる。
浅野氏は「おかずの中に何を入れるか、自分の食生活の中に何を加えていくかということが大切。食事のやり方を考えていく、意識するというのも重要。食欲にまかせて選ぶのではなくて、ビタミンDをとろうとかを考えて摂取する」と力説。セミナーでは、食事で摂取できなければサプリメントなどで補い、積極的な〝攻めの栄養摂取〟でこの冬を乗り越えたいと結論づけていた。