宇多丸も絶賛、心撃ち抜く青春映画「佐々木、イン、マイマイン」を目撃せよ!若手監督渾身の一本に熱い反響

黒川 裕生 黒川 裕生

初監督作「ヴァニタス」(2016年)や、King Gnu、平井堅のミュージックビデオなどで気を吐く新進気鋭の映画監督、内山拓也の新作「佐々木、イン、マイマイン」が、2020年代の青春映画の幕開けを告げる見事な快作だと映画ファンを唸らせている。内山監督とは「ヴァニタス」でも組んだ俳優、細川岳の高校時代の同級生をモデルに、みんなに愛された男「佐々木」とその仲間たちの過去と現在を交互に描きながら、誰もが覚えのあるだろう青春時代の刹那的で美しい輝きを焼きつけた渾身の一本だ。

俳優になるために上京した主人公の悠二は27歳。工場で働きながら鳴かず飛ばずの日々を送っている。別れた恋人への未練も断ち切れず、鬱々としながら暮らしていたある日、高校時代につるんでいた友人の多田と再会したことで、当時圧倒的な存在感を放っていた同級生「佐々木」たちとのかけがえのない日々を思い出すのだった――。

東京でくすぶる悠二を藤原季節、佐々木を細川が自ら熱演。この2人に加え、多田役の遊屋慎太郎、ちょい役で出演しているKing Gnuの井口理、そして内山監督も全員1992〜93年生まれというリアル同い年だ。5人以外も大半のキャストが20代の若手たちで、全編に「自分たちの映画を作ろう」という彼らの熱く切実な衝動が渦巻いている。特にテネシー・ウィリアムズの戯曲「ロング・グッド・バイ」の一節を引用しながら加速、そして爆発するラストシーンは、観客の心に強烈で忘れがたい余韻を残す。

「佐々木、イン、マイマイン」は11月27日に全国公開。SNSなどでは「ここ最近の青春映画の中では一番」「死ぬほど切ない」「魂鷲掴みにされて興奮してる」「心の中で『佐々木!佐々木!』と泣き、笑い、叫んだ」など、熱量の大きい反響が広がっている。12月6日放送のTBSラジオ「アフター6ジャンクション」で、“映画超人”ことRHYMESTERの宇多丸が「これは俺の話であり、お前の話でもある」「只事ではない熱となってフィルムに焼きつけられたような、一種異様な迫力を持った映画」「客観視できないくらい特別な一本になった」と絶賛したことで興味を持った人も多いのではないだろうか。

公開3日目の11月29日には、大阪ステーションシティシネマで舞台挨拶が行われ、内山監督と細川岳のほか、出演した森優作、萩原みのりの4人が登壇。特に森と細川は大阪出身ということもあり、関西弁を交えながらリラックスした様子で撮影時のエピソードなどを披露していた。また内山監督が、客席に来ているという細川の両親に「彼はすごい俳優で、みんな彼のことが大好き。地元に一緒に来ることができてすごく嬉しいです」と伝える感動的な一幕もあった。

作品に対するスタッフやキャストの思い入れはやはり並々ならぬものがあるようで、萩原は内山監督が現場で頭を抱えながら「後悔したくない、後悔したくない」と何度も言っていたのが忘れられないという。脚本にも携わった細川は「『佐々木、イン、マイマインド』は28年間生きてきた僕の、そして僕らみんなの生き様。皆さんにも広めていただけると励みになります」と万感の思いを込めて挨拶。「俳優としてまたここに戻ってこられるよう、これからも映画を作り続けたいと思っています」と話し、温かな拍手を送られていた。

■「佐々木、イン、マイマイン」https://sasaki-in-my-mind.com/

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