河童が生き、西洋の城がそびえ、島々が浮かぶ兵庫へようこそ!知られざる観光資源、県が魅力PR

黒川 裕生 黒川 裕生

兵庫県の南西部・中播磨地域(姫路市、市川町、福崎町、神河町)での宿泊を伴う観光客の増加を図るため、県の中播磨県民センターが「思わず行きたくなる中はりま」を謳った宿泊補助事業に取り組んでいる。11月中旬には、補助対象となる旅行会社の担当者らを招いたツアーが行われ、まだまだ開拓の余地がある観光地としての可能性をアピールした。

1泊2日の日程で訪れたのは、姫路市夢前町の農家レストラン&直売所「且緩々(しゃかんかん)」、福崎町の河童人形「ガジロウ」や柳田國男ゆかりの建物、姫路沖の家島、姫路市の灘菊酒造、亀山本徳寺、太陽公園、ヤマサ蒲鉾。家島では船で沖合に出て定置網漁業や養殖されているサバの様子も見学した。

且緩々(姫路市夢前町)

幼稚園の園舎だった建物を活用した“食養生”のレストラン。地元で育てた旬の野菜やハーブを中心としたビュッフェスタイルのランチが楽しめる。

「且緩々」は「焦らず、慌てず、ゆっくりと」という意味の禅語、とのこと。運営する香寺ハーブ・ガーデンは、高齢化が進むこの地域で、雇用と活気を生み出すことにも力を入れているという。

辻川山公園周辺(福崎町)

日本民俗学の父とされる柳田國男ゆかりの兵庫県指定文化財「大庄屋三木家住宅」を改装した複合ホテル「NIPPONIA播磨福崎 蔵書の館」は、約300年前の建物の趣と、各客室にずらりと並ぶ豊富な蔵書が魅力。

隣接する大正建築の旧郵便局舎を改修した客室も、レトロな雰囲気が味わい深い。

近くには“リアルすぎる”ことで人気の河童「ガジロウ」など、妖怪たちが跋扈する公園が。園内には、「日本で一番小さな家」と自身が呼んだ柳田國男の生家が移築されており、中を覗くこともできる。

家島(姫路市家島町)

姫路の沖合18km、播磨の海に浮かぶ家島諸島は大小44の島から成り、そのうち人が住む島は家島、坊勢島、男鹿島、西島の4島で人口は約6000人。島の歴史は古く、古事記に登場するオノゴロ島の伝承地のひとつでもある。全国トップクラスの漁獲高を誇り、砕石業、海運業も盛ん。

島の関係者は、観光は「まだまだ開発されていない」と話すが、近年は島ならではの海鮮料理や、昔ながらの風景に惹かれて訪れる人も増えているという。島ではコンシェルジュが案内ツアーも実施。海上で養殖したサバを独自の製法で調理した「究極さば寿司」を名物として売り出すなど、島の伝統を大切にしながらも、新たな動きが生まれている。

灘菊酒造(姫路市手柄)

100年以上続く日本酒メーカー。歴史を感じさせる酒蔵の見学や、出汁から全て手作りの料理を楽しむことができる。直売所では蔵出しの日本酒の試飲も。「みりん」と「甘酒」が不思議なハーモニーを奏でる、ここでしか味わえないソフトクリームも販売している。

亀山本徳寺(姫路市亀山)

幕末に一時、新選組が屯所として占拠した風格ある寺院。柱には当時の刀傷が残っている。2004年6月にはNHKの大河ドラマ「新選組!」のロケにも使用され、俳優の山本耕史さんや藤原竜也さんらが撮影に臨んだ。

太陽公園(姫路市打越)

ドイツのノイシュヴァンシュタイン城をモチーフにした白鳥城のほか、凱旋門や万里の長城、ピラミッドなどの世界中の石の建築物を旅行気分で楽しめる謎めいたテーマパーク。特に白鳥城では近年、映画やドラマなどのロケ地として頻繁に使われているほか、コスプレイヤーからの人気も高い。ちなみに城内にはコスプレ撮影を気軽に楽しめる仕掛けが多数用意されており、無料の更衣室も完備している。

ヤマサ蒲鉾(姫路市夢前町)

工場見学や買い物が楽しめる。甘いアメリカンドッグの生地と熱でほどよく溶けたチーズ入りかまぼこの相性がたまらない「ちぃかまどっぐ」も人気です。

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中播磨地域のツアーを企画する旅行会社を対象に、参加者1人あたり2000円の宿泊補助を行う兵庫県の「思わず行きたくなる中はりま」事業は、2021年2月26日まで。ただし予算額に達した時点で終了。問い合わせは兵庫県中播磨県民センターの産業観光課(tel:079-281-9034)まで。

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