「来ない」の言い方で、関西のどこに住んでいるかがだいたい予想できるというグラフが話題になっている。話題のグラフを投稿したのは大阪市在住の大学生、快速|出町柳さん。
快速|出町柳さんのツイート
「実は関西人の「来ない」の言い方で、関西のどこに住んでいるかがだいたい予想できる。」
「ケーへン」、「キーヒン」、「コーヘン」……すべて「来ない」という意味の関西方言だが、グラフでは地域によりどれくらいの割合の人がそれを使用しているかが示されている。例えば神戸市であれば約70%が「コーヘン」で約15%が「ケーへン」で「キーヒン」はほとんどいないといった具合に。
他地域からは十把一絡げにされがちな関西弁だが、実は地域や歴史の背景によりさまざまな違いがあるのだ。
このグラフについて快速|出町柳さんにお話をうかがった。
中将タカノリ(以下「中将」):僕も関西人なのでこのグラフは興味深かったです。今回投稿された画像の出典は何でしょうか?
快速|出町柳:方言学入門(三省堂)という参考書です。方言地図や言葉の仕組み等から、多角的に言葉の地域差を解明し、日本の社会を考察する内容です。
中将:関西では小さな距離でも言葉が変わるので、方言から地域ごとの文化の背景が想像しやすくて面白いですね。このグラフをご覧になって快速I出町柳さんの経験上、思い当たることはありましたか?
快速|出町柳:僕は大阪市に住んでいますが、経験上このグラフの示すことは正しいと思います。使い分けは意識してませんが
「けーへん」と「こーへん」はよく聞くし、使います。「きーひん」は聞かないです。
中将:他にも言葉遣いで地域を特定できる、わかりやすい例はあるのでしょうか?
快速|出町柳:「出来ない」の関西弁で「デキヒン」と「デケヘン」があります。「デキヒン」は京都市、奈良市、神戸市に多く、「デケヘン」は大阪市と阪神間(尼崎、西宮等)に多いというものです。
中将:今回のツイートは大反響ですが、みなさんのコメント等を見てどう思われますか?
快速|出町柳:過去にも同様の趣旨のツイートがバズったことがありました。「いいかげんにしろ、殴るぞ」を各地の方言でどう言うのかという一覧表でしたが、方言はけっこう反響を呼ぶカテゴリなんだなと思いました。
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方言は明治以前の令制国の境域や交通事情、人口流入の事情などさまざまな要因によって異なってくるようだ。読者のみなさんもご自身の話す方言がどのようか背景のもと成立したのか、調べてみると面白いかもしれない。