「双畑」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。
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岩手県にある極めて珍しい難読名字で、「双」の部分をどう読むかがポイント。正しくよむためには、まず「双六」が読める必要がある。
「双六」とは、日本に古くからある室内遊戯である「すごろく」のこと。ルーツは古代インドで、中国を経て、6世紀初めの武烈天皇の時代には日本に伝わっていたという。2つのサイコロを使うゲームで、ともに「六」の目が出れば負けないことから、のちに「双六」という漢字があてられるようになったらしい。
もちろん、「双」という漢字に「すご」という読み方はない。しかし、「双六」で「すごろく」と読むのならば、「六(ろく)」を引いた「双」の部分だけでは「すご」になるはずだ、という考えから「双畑」という名字は「すごはた」と読む。
岩手県一戸町には「双畑(すごはた)」という地名がある。おそらく、もとからあった「すごはた」という地名に無理矢理漢字をあてたものだろう。ここに住んだ人が地名を取って「双畑」と名乗ったものだ。