鈴をつけて走っていた猫…実は飼い主に置き去りにされていた “自分で選んだ”新しい家族との生活

渡辺 陽 渡辺 陽

 米国ワシントン州に住む山口さん。時折、鈴をつけた猫が自宅の庭を走っているのを目にしていた。飼い猫だろうと思っていたが、どうも様子が違う。家に入ってきたのを機に保護することにした。獣医師にマイクロチップをスキャンしてもらうと、元の飼い主が置き去りにしていたということが分かった。

首輪に鈴をつけた猫

 

 2019年6月、米国ワシントン州に住む山口さんは、時折、首輪に鈴をつけている猫が庭を駆けていくのを見た。首輪も鈴もついているので、てっきり近所の人が飼い猫を外に出しているのだと思っていたという。

 ひと月くらい経った頃、山口さんが帰宅すると、その猫が玄関までついてきた。飼い主がいると思っていたので、さして気に留めなかったそうだ。

「時々エサをあげていたのですが、居ついてしまって帰れなくなると困ると思い中には入れなかったんです。ところが、玄関を開けていたら中に入ってきて、その頃には、近所の猫ではないと薄々分かっていたので、うちで飼おうということになったんです」

 先住猫のキキちゃんは、お気に入りのテントを取られないかと心配し、シャーシャー威嚇した。かと思うと、キキちゃんが近づいてあいさつしようとしたら、今度は鈴をつけた猫がシャーシャー威嚇した。しかし、一日もすると仲良く遊ぶようになったという。

置き去りにした飼い主

 ワシントン州では、飼い猫にはマイクロチップを入れなければならない。動物病院に連れて行きスキャンしてもらうと、マイクロチップが入っていた。獣医師が飼い主に連絡すると、「猫がいなくなって寂しいが、引っ越し先では飼えないから置き去りにした」と言ったそうだ。2カ月くらい外で暮らしていたようだった。2015年2月生まれで、小さいから子猫のように見えたが、4歳ということも分かった。

 山口さんが猫を引き取ることになり、すずちゃんという名前をつけた。

 「うちの庭を走り回ったり、玄関までついてきたりしていたので、うちを選んでくれたように思いました」

先住猫と兄妹のように

 山口さんはみーちゃんという猫も飼っているが、みーちゃんは知らん顔をしていた。みーちゃんがすずちゃんのにおいをかごうとすると、すずちゃんがシャーシャー威嚇するので、「おっかない猫だわ」とでも言うようにみーちゃんが遠のいた。

 すずちゃんは首輪を取ってあげると気持ち良さそうにした。ハーネスをつけて庭を散歩したり日向ぼっこすると喜ぶ。いまでは、最年長のみーちゃんがキキちゃんとすずちゃんのことを見守るように暮らしているのだが、留守番中、すずちゃんはみーちゃんのそばで寝ていて、まるできょうだいのようだという。

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