はかなげな姿に「私が守らないと」…母猫に置き去りにされた子猫、ひとめぼれした里親のもとへ

渡辺 陽 渡辺 陽

 

大阪府で保護された兄妹猫は、母猫が育児放棄して置き去りにされていたところを保護された。猫の保護活動をしている猫スマイルが里親を募集。猫が好きで、ずっと猫を飼いたいと思っていた里親に譲渡された。

母猫が置き去りにした兄妹猫

大阪府に地域猫活動(TNR)をしているおばあさんがいた。2016年10月中旬、子猫を2匹保護したが、高齢なので世話ができないと猫の保護団体「猫スマイル」に相談してきたという。子猫は可愛らしいが、世話をするには体力もいる。

生後1カ月半くらいで、9月の上旬に産まれたようだった。周囲に母猫は見当たらず、母猫が育たないと思って置き去りにしたのではないかと考えられている。

大阪府に住む中野さんは、チワワのルキくんを飼っていた。ご主人と娘が欲しいと言って飼った犬だった。中野さんは猫が好きで、サイトや本で野良猫や殺処分のことを知り、1匹でも助けられたらと思っていた。

2016年10月、初めて友人と猫カフェに行ってみた。気に入った子がいたら飼ってみたいと思っていたという。そこにたまたま猫スマイルの人がいて、「うちにもたくさん保護した猫がいる。よかったら来てみませんか」と言われた。

 はかなげな子猫にひとめぼれ

猫スマイルのサイトを見ると、モコちゃんが載っていた。

「すごくはかなげで、今にも消え入りそうな感じだったんです。私が守らないと!と思いました」

中野さんの友達は、モコちゃんと一緒にいた男の子の譲渡を希望した。

「できたら2匹一緒にもらってほしいと言われたのですが、犬もいますし、初めて猫を飼うので、友人と1匹ずつ引き取ることにしたんです」

実際に会ってみると、モコちゃんは「遊ぼう」と言って膝に乗ってきたり、おもちゃを持ってきたりするやんちゃな猫だった。他にもたくさん猫がいたが、モコちゃんしか目に入らなかったそうだ。

私が選んだ子

11月下旬、生後3カ月くらいの時にトライアルが始まった。モコちゃんは、ルキちゃんを見るとウーっとうなったが、すぐになれて一緒に寝るようになったという。

仕事から帰るとモコちゃんは、玄関で出迎えてくれる。リビングで書き物をしていると、「私を見てよ」と手を出してくるし、2階に上がって寝ようとすると、フミフミちゅぱちゅぱしてくる。必ず中野さんの後をついてきて、お風呂の前でも待っている。

ルキちゃんのことも可愛いが、自分が選んだ子という意味で、中野さんにとってモコちゃんは特別な存在なのだという。

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