服や雑貨を買うとついてくる「アレ」にSNS上で不評の嵐!なぜ「アレ」は取り付けられるのか

中将 タカノリ 中将 タカノリ

服や雑貨を買うとついてくる「アレ」が話題になっている。

アレの正式名は「タグピン」。タグを商品に張るために銃のような形をした「ガン」と呼ばれる取り付け器具で商品に打ち付けられる。アパレル系の多くのお店では必須アイテムとも言える備品なのだが、今SNS上ではこのタグピンに対する不満が渦巻いているのだ。

いくつかの例をご紹介しよう。

「コレを切ろうとして生地まで切ってしまった事が何度もあります 切るのに凄い神経を使うし切った後も見失ってイテッとなる コレ本当嫌い」

「はさみで切ると、反対側がピーンッ!ってとんでっちゃってどこかいっちゃうんだよね…w」

「これ大嫌いですね カッターシャツに沢山入っている止める物も 赤ちゃんとか口にしたら大変」

Twitter

手厳しいが、たしかに納得のいくご不満ばかり。筆者もいそいでタグを外そうとして、タグピンに服の生地を傷つけられた経験が何度かある。

なぜタグピンはこういった数々の不満のタネを抱えつつもアパレル系のお店で重宝されているのだろうか。今回、まいどなニュースでは長くアパレル、雑貨の販売に関わり、現在は国産アンティーク時計を中心としたオンラインストア「昭和ラウンジ」を経営する鳥山 裕美(とりやま ひろみ)さんにお話をうかがった。

中将タカノリ(以下「中将」):タグピンに対する世間の不満についてどう思われますか?

鳥山:私もタグピンを外そうとして服の生地を痛めてしまったことがあります。丁寧にハサミで切っても破片どこかへ飛んで行っちゃったり(笑)。特に画像のタイプのタグピンは取り付け時に商品に穴をあけることになるので「もったいないなぁ」と感じます。

中将:なぜこんなタグピンが広く使われているのでしょうか?

鳥山:生地を傷つけない「ロックス」というタグ付けループもあるのですが、コストも手間もかかるので安価な量販店では仕方がないのかなと思います。逆に、品質にこだわりのあるお店や高級志向のお店ではあまり使わないですね。

   ◇   ◇

またタグピンを製造する株式会社トスカバノックのご担当者にもお話をうかがった。

中将:SNS上でのタグピンへの不満はご存知だったでしょうか?

担当者:タグピンに関する不満がTwitter等で話題になっているのは、弊社社員から報告がございましたので存じ上げております。

中将:さまざまな不満が上がっていますが、個人的には商品に穴があいてしまうのが一番のネックかと感じます。

担当者:タグピンはピストル型の機械を使用し、対象物に細い針を刺して取り付けるのでどうしても穴があいてしまいます。ロックスであれば直接生地に刺すことはありませんので、生地に穴をあけずタグを取り付けられます。

中将:やはりそこにこだわるならロックスなんですね……。御社のホームページを見るとタグピンにしてもさまざまな商品があることがわかりましたし、SNS上の不満のように一方的に批判することに疑問を感じてきました。

担当者:弊社としましても、生分解性プラスチックのタグピンの販売など時代に沿った製品を日々開発、販売していく努力を最優先としております。

   ◇   ◇

鳥山さん、トスカバノックのご担当者のお話しを聞き、タグピンを一方的に批判する風潮はややいきすぎたものであるように感じられた。たしかにタグピンは安物の古着や靴下に多く取り付けられている気がする。不満のある人はもう少し高級なお店で、上質な商品を買う必要があるのかも知れない。

ともあれ、取り外した後のタグピンはそのままにしておくと足に刺さったり、幼児やペットが誤飲することにも繋がる。細かいものだけに、その取り扱いにはくれぐれもご用心いただきたいものだ。

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