マスク焼けは避けたい! 日焼け止めの正しい使い方を専門医に聞いた

佐藤 利幸 佐藤 利幸
マスク焼けを避けるために日焼け止めを忘れずに(tomaco/stock.adobe.com)
マスク焼けを避けるために日焼け止めを忘れずに(tomaco/stock.adobe.com)

withマスクで迎える真夏。紫外線の量が増え、マスクをしている部分とそうでない部分がくっきりと分かるマスク焼け、さらには、マスクをしていても紫外線が透過し、日焼けしてしまうマスク越しの焼けが心配になります。海やプールに行った後、水着の部分だけ白い、というあの白黒状態のアレが顔で表現されてしまうのです。

マスク焼けには日焼け止めが有効です。日焼け止めの正しい使い方などを、聖心美容クリニック熱海院の小林美幸院長に聞きました。

――マスク焼けを防ぎたいのですが

小林美幸院長(以下、小林院長)「マスク日焼けはマスクをしている部分とそうでない部分とで焼けムラが出てきてしまうことを言います。具体的には、①マスクをしている部分のみ白っぽくなる、②反対にマスクをしているところだけ日焼けしているという、2通りの焼けムラがあり得ると思います。
マスク日焼けを防ぐ方法は、「顔全体に日焼け止めを塗る&こまめに塗りなおす」です。①の原因は、紫外線の到達量の差です。マスクをしている部分は、マスクで紫外線が多少さえぎられ、紫外線の肌への到達量が少なくなり(=日焼けしにくくなり)そのため露出している部分よりも少し白っぽくなります。
②の原因は、汗・蒸れ・摩擦等で顔に塗布した日焼け止めが落ちてしまうためです。特に鼻や頬などの出っ張っている部分はマスクと擦れやすく、日焼け止めも落ちやすいです。こうした焼けムラを防ぐためには、日焼け止めを顔全体に塗ること(→①の予防)、2~3時間おきにこまめに塗りなおすこと(→②の予防)。日焼け止めを塗った後は、十分に肌になじみ、乾いてからマスクを装着するようにしましょう」

――日焼け止めを塗るときに注意することは?

小林院長「塗り忘れしやすい耳や目の周り、うなじ、あご、首、デコルテなど、広い範囲にまんべんなく塗ることが大切です。また、日焼け止めを擦るように塗る方がいらっしゃいますが、摩擦は肌のバリア機能を弱めてしまうため擦らないように気をつけてください。塗り直し用にスプレータイプの日焼け止めをとりいれるのも良いと思います」

――脂っぽいのに乾燥肌なんです

小林院長「バリア機能がしっかり働き正常な肌ではマスクを外してすぐに乾燥はしないと思います。ただ普段からケアをやりすぎたり、汗をごしごしふいていたり肌をこすったり、日焼けをしていたりバリア機能がきちんとないようなダメージ肌の場合は、呼気で保湿された顔はマスクを外すことによりバリアが壊れているので水分がどんどん蒸発し乾燥するでしょう。乾燥すると、顔が潤いを保とうと脂を分泌するので、結果、『脂っぽいのに乾燥肌』と陥ります。
例えば、日焼け止め&マスクだけでもこすれたり摩擦の原因となりバリア機能を壊し水分を失いやすい状態になっていますからタオルでごしごししたり、コットンで化粧水でつけたり、ふき取り化粧水やクレンジングでしっかりメイクを落としすぎたり、顔マッサージをしたりなどは乾燥しやすいと思っている方は避けたほうが良いでしょう。夏はただでさえ紫外線でもダメージを受けやすいので、そこにこするという摩擦とマスク摩擦も加わると、クスミや乾燥はさらに悪化するでしょう。また、マスクは布マスクも不織布マスクも、1日に何度かつけかえることをお勧めします」

――夏のマスクは使い捨て?それとも洗えるマスク?

小林院長「基本的には、汗をかいたら取り換える。理由は、汗をかいた状態で長時間使用すれば雑菌が繁殖しやすくなり、雑菌が繁殖すると「皮膚炎」の原因になるからです。使い捨てマスクを1日に何度も付け替えるのは経済的ではありませんので、そういった意味では洗って繰り替えし使用できる布マスクが良いのかもしれません。洗濯した布マスクを小分けにして何枚か持ち歩き、汗をかいたら取り換えることをおすすめします。その際は日焼け止めの塗り直しも忘れないようにしましょう」

――日焼け止めはマスクの上からでいいのですか?

小林院長「日焼け止めは皮膚に直接、塗ってください。上述しましたが、日焼け止めを塗った後は、十分に肌になじみ、乾いてからマスクを装着するようにしましょう。

――この時期、気を付けることは?

「これは(今回のマスク日焼けにかかわらず)以前からの口癖になりますが、紫外線は皮膚の細胞や細胞のDNAをも傷つけ、これらの傷は一度できてしまったらもう治りません。場合によっては皮膚がんになる恐れもあります。そのためシミ・シワ対策で紫外線対策をすると思われがちですが、実際には健康にも影響を及ぼすので、しっかりとしたケアが必要です。熱中症に気をつけて、マスクだけに頼らず日傘や帽子も併用しながら紫外線対策をしっかり行いましょう」

小林美幸(こばやし・みゆき)聖心美容クリニック熱海院院長、東京女子医科大を卒業後、愛知医科大学皮膚科、医療法人皮膚科専門医を経て、プレッツァ聖心美容クリニックへ。ノーファンデ主義の「すっぴんDr.」。目指すは手術要らずのアンチエイジング。
聖心美容クリニック https://www.biyougeka.com/

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