7割超の医師が考える「マスク推奨な場面」…「医療機関」「高齢者施設」 外しても大丈夫なシチュエーションは?

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」に移行され、様々な行動制限がなくなりました。このことについて、医師の皆さんはどのように感じているのでしょうか。全国の男女の医師432人に「行動制限がないノーマスクの夏に関するアンケート」を実施したところ、医療機関や高齢者施設などでは引き続きマスク着用が必要と考える医師が7割以上いたことが分かりました。一方で、会社や学校、イベントなどではマスクが必要と考える医師は3割に満たなかったそうです。

医療人材総合サービスを提供する株式会社エムステージ(東京都品川区)が、医師の転職情報サイト「Dr.転職なび」、医師のアルバイト情報サイト「Dr.アルなび」に登録する医師を対象として2023年5月にインターネットにて実施した調査です。

最初に、「行動制限がないノーマスクの夏」に対して考えを聞いたところ、26.4%が「大いに賛成である」、41.0%が「どちらかというと賛成である」と回答し、約7割の医師が賛成する結果となりました。一方、「大いに反対である」は5.3%、「どちらかというと反対である」は14.6%でした。また、各回答の理由について、以下のようなコメントが寄せられました。

【大いに賛成である】
▽いままでがつらかった
▽もともとそれほどマスクに賛成ではない
▽熱中症になる危険性があるため

【どちらかというと賛成である】
▽脱水症のリスクを考慮すると、外すことをベースにして良いと思う
▽コロナ感染をコントロールすること自体がもはや難しそうであること。一人ひとりにコロナに対する意識が醸成されるには十分な時間が経過しており、以降は個々の判断に委ねても良いと思われるため
▽ノーマスクという言葉が先行して、それぞれの環境に合わせて着用をする事は忘れないで欲しい
▽現在はコロナが流行しているという状況ではないため、熱中症対策にもマスクを外した方が良い

【どちらかというと反対である】
▽外来にて、ゴールデンウィークから発熱患者のコロナ陽性率が急増しており、次の波が既に始まっている感覚を受けるため
▽現実問題、連休明けから患者が増加している
▽マスクで予防できるのはコロナだけではないため
▽換気が不十分なクーラーのきいた室内では、クラスターが起こるのでは
▽医療機関では、いまだコロナ感染の治療をされている患者さんが多いです。このようにならないよう、引き続き注意していく必要があると思います

【大いに反対である】
▽感染者数が明らかに増加している一方、感染症病床は減っている
▽また新しい感染症が流行した場合に、大騒ぎになることが予想されるから。標準予防策としてマスクはしたほうがいいと思う

次に、「行動制限がないノーマスクの夏」であっても、マスクを外さないほうが良いと思う場所・状況はあるか聞いたところ、「病院、クリニックなどの医療機関」(365人)が最も多く、「特養などの高齢者施設」(312人)、「電車、バス、飛行機などの公共交通機関」(196人)が続きました。一方、「声出し可のコンサート・ライブ会場、スポーツ観戦、観劇などのイベント」(99人)や「会社、学校、保育園、幼稚園など日常的に集団で過ごす場所」(96人)、「ショッピングモールやデパートなどの商業施設」(75人)などは、マスク着用が必要と考える医師は3割を切る結果となりました。

続いて、夏休み期間中などの旅行や帰省について考えを聞いたところ、「対策なしであっても問題ない」は21.3%、「適切な対策を実施すれば問題ない」は66.7%となり、約9割の医師が問題ないと回答しました。

また、前述の質問で「適切な対策を実施すれば問題ない」と回答した288人に、適切と考える対策について具体的な内容を聞いたところ、「マスク着用が効果的である場面での着用」(233人)、「手洗い」(229人)、「換気」(217人)、「3密(密接・密集・密閉)の回避」(187人)などが挙がりました。

最後に、すべての人に「行動制限がないノーマスクの夏」に、患者数が増えると思う疾患・症状はあるか聞いたところ、「新型コロナウイルス」・「ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱など(夏風邪)」が同数の305人で最も多く、次いで「熱中症」(120人)、「海水浴やプールなどでの水の事故」(112人)、「倦怠感・食欲不振などの体調不良(夏バテ)」(72人)などが続きました。

医師からは、「反動ではしゃぎすぎる。自粛生活で基礎的な体力・抵抗力が落ちているだろうから」「色々な制限があった環境下で、体力や感染症に対する抵抗力が落ちてしまっていることが影響すると思う」といった声が寄せられたといい、調査を行った同社は「長く続いた自粛生活による、体力や抵抗力の低下を懸念する回答が目立ちました」と述べています。

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