演じたのは成績優秀でなんの不満もなさそうな縁。なぜかエキセントリックな琴子(中田青渚)と行動を共にしている。そんな縁の性格を掴むのがやや難しかったという。「モヤモヤを心に抱えてはいるんだろうけれど、それを表面には出さない子。撮影前にリハーサルをして、縁の話し方やトーンを決めました。歩き方も工夫して、投げ出して歩いて行くようなイメージで演じました」と細部にこだわり作り上げた。
芝居経験のない共演者とのやり取りからも刺激を受けた。「ミュージシャンの小室ぺい君は年下でしかも演技初挑戦。初めての瞬間に立ち会えるのは嬉しかったですし、未経験の方の強みも肌で感じました。普段は音楽で表現されているということもあり、持っているものも違う。そこから受ける刺激がありました」と新鮮さを感じた。
完成した作品からは、ふくだ監督の愛を感じ取った。「私が主演ではありますが、実は全員が主役のような作り。群像劇のようであり、登場人物全員に対する愛がある。それはふくだ監督の『みんなを撮りたい』という愛情があったからこそ。鑑賞後の満足感は最近の映画にはないものです。出演している私が言うのもなんですが、すごく面白い」と納得の再タッグ作だ。