大阪の端っこのとある町で起きた、高校生による父親殺害事件。退屈に満ちたこの町では、高校生たちがまだ何者でもない自分自身を持て余していた。公開中の映画『君が世界のはじまり』で松本穂香（23）は、主人公の女子高生・緑を演じている。
原作・監督のふくだももこ監督とは2度目のタッグ。「ふくだ監督の商業デビュー作『おいしい家族』を通して凄く仲良くさせて頂いた気がして、同じ大阪出身だし考え方も似ている。今回はプレッシャーよりも“ちょっとでも力になれたら”という気持ちがありました。監督と女優ではなく、人と人として関係性が深くなった上での再会だったので、お互いに信頼感がありました」と理解し合っての再タッグとなった。
周りが大人ばかりの主演だった前作とは一転、今回の共演者はほとんどが同年代。ふくだ監督からは主演として先頭に立つように言われた。「先輩の多かった前作とは違い、今回はお芝居経験が私よりも少ない方も何人かいる。ふくだ監督からも『主演として引っ張っていってほしい』と言われたので、前回とは違う意識の中での撮影となりました」と一層の自覚を持って挑んだ。
前作『おいしい家族』の撮影中から阿吽の呼吸だったが、今回はふくだ監督とのディスカッションの時間が多かったという。「私に作り手側の気持ちも味わってほしいと、セリフや脚本の相談をしてくれました。演じることに専念するだけではなく、作り手の気持ちも共有することで現場全体を俯瞰する力が養われる。今後もっといいお芝居ができるように私を導いてくれました」と成長を期待するふくだ監督の心意気に感謝。
