皮ごと食べられるなんて、そんなバナナ…1本877円の高級バナナでカレーを作ったってマジ!?

山本 智行 山本 智行

 そんなバナナ?三重県伊勢市にある戦国テーマパーク「伊勢忍者キングダム」ではコロナ明け後の起爆剤として提供している「バナナカレー」などの新メニューが好評だ。単なるバナナではなく「凍結解凍覚醒法」という革新的な農業技術でつくられたもの。純国産で完全無農薬栽培されており、おいしい上に皮ごと食べられるという。バナナもカレーも好きな筆者が一度味わってみた。

 一見すると多少の高級感はあるものの、普通のバナナと変わらない。しかし、値段を聞いてビックリ。なんと1本877円で販売中。語呂合わせの「877(バナナ)」に、思わず吹き出しそうになったが、ちょっと高くないかという感想も含まれていた。

 バナナと言えば、栄養も豊富で多くの人に愛され、古くは高級品だった時代もある。しかし、いまではすっかり庶民の強い味方。日本では、そのほとんどをフィリピンなど海外からの輸入に頼っているが、消費量は国内でまかなえるミカンやリンゴを抑え、果物の中で第1位となっている。

 伊勢忍者キングダムの担当者によると「スーパーなどで一般的に販売されているのはキャベンディッシュ種。わたしたちが提供しているバナナはグロスミシェル種と言われ、甘みが強い。しかも国産で無農薬だから皮ごと食べられる」とのことだ。

 バナナの皮と言えば、滑って転んで、というギャグをついつい想像してしまうが、そもそも熱帯のイメージが強いバナナが国内で生産できるようになったとは知らなかった。可能にしたのは「凍結解凍覚醒法」と言われる新たな農業技術のおかげだという。

 その名の通り、まずは植物の細胞をマイナス60度まで徐々に冷却し凍結させ、耐寒性を備えさせる。その後に解凍という外部ストレスを与えることで眠っていた遺伝子が機能するという。つまりは氷河期を乗り越えた植物が持つ本来の力を利用したものだ。

 伊勢忍者キングダムの運営者はテーマパークの充実を目指す一方で農業にも力を入れ「アグレボ ヘルスフーズ株式会社」を設立。「完全無添加、無農薬、化学調味料なしの食品」に取り組んでおり、すでに研究と開発に3年を費やしてきた。

 「世の中のほとんどの食品が無添加や無農薬と記載されていても完全ではない。それなら自分たちでやろう、というのがそもそもの始まり。20人の料理人とともに作り上げたものを今夏からいくつか提供することとなりました。多くの人が美味しく食べて健康になる!これがわたしたちのスローガンです」

 その成果のひとつが今回のバナナカレーというわけだ。糖度の高い三重産の高級バナナをルーの中に練り込んでおり、実際に食べてみるとピリリとスパイスが効きながらもマイルドな味わいも楽しめた。辛さは甘口、中辛から選べるので、お子様から本格カレー好きの方までいけそうだ。値段はお高いのでは思ったが、877円ではなく、800円だった。

 美食街ではこの他にも猪肉、シカ肉の餃子、ハンバーグやカレーに猪肉のチャーシュー入りラーメンなどを提供。メニューによってはハーブを効かせて、特徴あるエキゾチックな風味に仕上げられている。なお、伊勢忍者キングダムは5月23日から一部営業再開しており、いよいよ今月23日からは全面営業を再開する予定だ。

◇伊勢忍者キングダム http://www.ise-jokamachi.jp/

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