このコだーれだ? 動物園と美大がコラボ、アートな「どうぶつマスク」が話題に

沢田 眉香子 沢田 眉香子

「この口元、だーれだ?」京都市動物園(京都市左京区)と嵯峨美術大学(京都市右京区)がコラボし、かわいい「どうぶつマスク」が誕生した。

京都市動物園の坂本園長自らが指揮をとる「どうぶつマスク」プロジェクト。着用しているのは、国内希少野生動植物種に指定されるツシマヤマネコのマスクだという。マスクのデザインと製作は嵯峨美術大学の池田教授が、映像は江村教授が担当した。

不織布のマスクが不足になり、あっというまに広がった手作りマスク。「おかんが作ってくれてん」みたいな色とりどりのマスクからは、非常時にも発揮される日本人のものづくり精神と「自分も、他人も大切に」という思いが伝わる。

マスクは今や、ひとつのメッセージツールだ。京都市動物園が、動物デザインのマスクの作り方や型紙を提供する「どうぶつマスク」プロジェクトには、「マスク着用も、動物たちのことも、忘れないで」というメッセージが込められている。

動画では、さまざまな動物の口元をかたどったマスクの作り方を紹介する。白マスクにペンでゴリゴリ描くか、型紙をダウンロードして布を使って縫うか、の2種類がある。

京都市動物園と連携して「どうぶつマスク」を製作したのは嵯峨美術大学・嵯峨美術短期大学。このコンビでは、これまで夜間開園「妖怪ナイト」など、アート精神あふれる攻めの企画を放ってきた。今回のマスクのデザインも、ありがちな動物マスクとはかなり違っていて、一見、何の動物の口元なのかわからないアート的なデザインと、ツウなモデル動物選びがミソ。

赤とブルーの怪獣ダダみたいなマスクが、オナガザルの仲間のマンドリルだとピンときた人は、相当の動物好きだ。「モデル動物の選択には、動物園で飼育されている種を対象とし、今年度の特任園長のハリネズミも候補とすること、本園で積極的に繁殖に取り組んでいる種(ツシマヤマネコやゴリラ等)も候補に入れて作成していただいた」と坂本園長。かわいいだけでなく、このマスクは、作ったり身につけたりすることで、動物たちを観察したり、身近に感じたりすることができるツールとなる。

動画での坂本園長のマスクは、ツシマヤマネコ。環境省によるツシマヤマネコの保護増殖事業の一環として、京都市動物園には昨年の秋、福岡市動物園から「ユリ」が来園。繁殖に向けて、飼育員さんの努力が続けられている。

京都市動物園は現在、京都府民限定での開園だが、6月19日以降は京都府外の地域に住む人も訪れることができる。今後「どうぶつマスク」を使ったイベントも予定しているという。

■どうぶつマスクプロジェクト https://www.youtube.com/watch?v=quq-tG9ORW0&feature=youtu.be

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