1971年9月に誕生した世界初のカップ麺にして、日本発の“地球食”としても名高い日清食品のカップヌードルが、実物大のプラモデルになった。…いや、本当に。麺や具材を3Dスキャンすることで、本物の形状を精緻に再現。カップの側面は取り外しが可能で、普段は見ることができない「中間保持構造」も楽しむことができるという。何を言っているのかさっぱりわからないが、とにかくSUGOSUGIRU。
アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル、いわゆる「ガンプラ」で知られるBANDAI SPIRITS(本社:東京都港区)が2019年から手掛ける企画「BEST HIT CHRONICLE」の新作。同企画は普段プラモになじみのない人にも手に取って遊んでもらおうと、「日常にあるヒット商品」のプラモ化を進めている。第1弾として、一世を風靡した家庭用ゲーム機「PlayStation」と「セガサターン」を2/5スケールで再現してみせ、世間の度肝を抜いたのも記憶に新しい。
何故カップヌードル?企画担当者が解説
そして放たれる第2弾は、誰もが予想だにしなかったカップヌードルのプラモである。BANDAI SPIRITSは「慣れ親しんだ食品を今度は自らの手で組み立てるという新感覚を提供し、カップヌードルというプロダクトをより知っていただくとともに、プラモデルの進化、作ることの楽しさを体験していただきたい」としているが…一体どういうことなんでしょうか、同社ホビー事業部ニューホビーチームの寺島塁さん!!?
「予想通り、『よくわからないけど面白い』という大きな反響をいただいています」
「1980年に誕生したガンプラは今年で40周年。その間、接着剤不要で組み立てられる工夫や、多色成形の『いろプラ』の開発など、プラモの技術は目覚ましい進化を遂げてきました。これを機に、あらためてもっと多くの人にプラモに触れてもらいたいと考え、全く新しい分野のプラモ企画『BEST HIT CHRONICLE』を立ち上げたのです」
――意図はよくわかりました。わかりましたけど、カップヌードルとは…。
「重視したのは、誰もが知っていて、それでいてプラモ化に驚きと発見があることです。押しも押されもせぬロングセラー商品のカップヌードルだけでなく、日清食品さんは常に話題を創出し続けるエンタメの鑑のような企業。プラモ化をオファーしたところ『面白い!』と快諾してくださいました」
プラモ屋の意地!一切の妥協なし!
――それにしても、細部まで徹底した作り込みには目を見張ります。
「“プラモ屋”の意地です。プラモってすごい、作るって楽しいと思っていただくためには、一切の妥協は許されません。麺や具材(たまご、エビ、謎肉)の3Dスキャンによる精密な造形、カップの色分けなど、我々の技術の粋を集めて全力で挑みました」
――ではプラモ屋として、特に注目してほしいポイントはありますか?
「カップの色分けです。特に『カップ下地の白』『ロゴのフチの赤』『ロゴの文字の白』の3層構造で仕上げた『CUP NOODLE』のロゴには苦労しました。普通ならロゴを印刷したシールを貼って完成させたいところですが、自分でロゴを組み立てていく新感覚を味わってほしいと思い、パーツをどう色分けし、どう分割すれば再現できるかを様々な角度から検討を重ねてようやくたどり着きました」
「特徴的な金色の破線模様もパーツ分割で再現したほか、注意表記や成分表記、お客様相談室の案内など、パッケージに印刷された全ての文字を精緻なモールドで再現しています」
――何故にそこまで…。
「『本物をとことん追求する』というプラモ屋の使命でしょうか」
――ゲーム機、カップヌードルと来て、次の展開は?
「今は言えませんが、また皆さんに驚いていただけるようなまさかのコラボを実施していければと考えています。これからもプラモの進化や作る楽しさをお見せしていきたいですね」
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BEST HIT CHRONICLE 1/1 カップヌードルは税込み2420円。
2020年9月18日発売予定。