インターネット検索サービスのグーグルで新型コロナウイルスについて検索すると、都道府県別の死者数が過大に表示される場合があることが8日までに分かった。鹿児島県では8日時点で死者ゼロにもかかわらず「4人」と表示。京都府の死者も一時期まで、13人とすべきところを「30人」と記載されていた。グーグル側はウィキペディアに基づく情報で責任はないとしている。
実態と異なる数字は、「コロナ 死者」などで検索すると感染者の合計とともに表示される。今月6日時点では、京都や奈良など10府県の死者数が行政の発表よりも多かった。京都府の場合、死者数は7日午前まで30人と表示されていたが、同日午後以降に正しい数字に修正された。
また、ほとんどの府県の感染者数や死者数は行政の発表から数日遅れで更新されているとみられる。グーグルは検索ページで「情報は頻繁に更新されます」「データはウィキペディアから提供されています」との注意書きを添えている。
グーグル日本法人の広報部は「表示の通りデータはウィキペディアより提供されている。弊社のデータではないので、弊社が修正するものではない」として静観する姿勢だ。
成蹊大の吉見憲二准教授(情報社会学)は「公衆衛生上、グーグルの姿勢は望ましくないが、提供元の明示以上の責任を負わないだろう。現代では都道府県発表などの正しい情報より、正確さが欠けていても見やすく分かりやすい情報が重視される。インターネット利用者はソース(情報源)を確認したり、より正確なソースを意識したりして閲覧していかないといけないのではないか」と指摘する。