政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止のため全世帯2枚ずつ配布を決めた布マスク(通称:アベノマスク)について、厚生労働省が開設する都道府県別配布状況のページが、東京都以外の46道府県すべてで「準備中」のままになっている。ネット上では「掲載する意味があるのか」などの疑問の声も相次いでいる。
安倍晋三首相が全世帯への布マスク配布を打ち出したのは4月1日。同7日に閣議決定され、4月17日には東京23区を皮切りに一般世帯への配布も始まった。だが、厚労省マスク等物資対策班によると「布製マスクの都道府県別全戸配布状況」のページの更新は4月17日が最後。先行配布された妊婦向けマスクに汚れが付着するなどの不良品が相次いで見つかったことで納入業者が再検品を行う事態になり、「新たに他の道府県で配布予定が決まればすぐに更新するつもりですが、次にいつ更新できるかは決まっていません」(同班)とも。
同省の問い合わせ専用ダイヤルにも「いつ届くのか」といった問い合わせや苦情が「非常に多く寄せられている」(同)といい、「現在、23区外の地域にも拡大しております。今後については特定警戒区域及び、区域外でも感染者が急増している地域へ優先的に配布するなど、諸々調整中です」といい、担当者の声にも苦渋の色がにじむ。
ネット上では「どちらかというと10万円の給付状況を載せてほしい」「まぁこのままでいくと要らなくなった頃に来るかな…」「布マスクはもういらないかと。一言『ごめん』と言って、『この予算を医療に』と発表した方が支持率UPにつながると思われ」などの声が続々と上がり「できていませんの報告をするなんて勇気あるなあ。ある意味省庁からの反乱か?」といった声も上がっている。