コロナからの“卒業”の予兆?北海道で幸運の二重の虹…休園中の水族館員も思わずはしゃぎ過ぎ

広畑 千春 広畑 千春

 「はしゃぎすぎて虹を放出するスタッフ」

 新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言で、全国の動物園や水族館などの臨時休園・休館が続く中…北海道北見市にある「北の大地の水族館」が今月21日、こんな不思議なツイートをつぶやきました。添えられていたのは見事な半円形をした美しい二重の虹。珍しい現象で「願い事が叶う」という言い伝えもあるといい、早速聞いてみました。

 答えてくれたのは、館長の山内創さん。同館は正式名称「おんねゆ温泉北の大地の水族館―山の水族館」といい、1mを超える大型魚イトウを始め50種約3000匹の水生動物や魚などを展示。山内さんは同館に勤めて今年で丸8年になるそうです。

―すごくキレイな虹ですね!

「ええ。21日の午後5時ごろでしたか、通り雨がザーッと降った後、日が差してきたんです。そうしたら東の空に二重の虹がかかっているのをスタッフが見つけて皆で見に行き、童心に戻ってはしゃぎまくってしまいました」

―珍しいと聞きますが、北海道ではよく見られるんですか?

「二重の虹はこれまでに1、2度見たことがありますが、そのときは薄い方は半分ぐらいしか見えなかったので、今回みたいにきれいで根元まできちんと見える二重の虹は、初めてでした。根元まで見えるのは広くて高い建物もない北海道ならではかもしれませんね(笑)」

 二重の虹は、太陽の光が水滴の中で1回反射してできた虹(主虹:通常よく見られる虹)の外側に、2回反射してできた虹(副虹)が見られる珍しい現象。副虹は主虹よりも暗くて幅が広く、色の順番は外側が紫色、内側が赤色と通常とは逆になるそうです。(詳しい仕組みは、島津製作所のHP内「虹のお話(2)」等の解説をどうぞ)ハワイやグアムなどでは幸運の予兆とされ、「願いが叶う」という言い伝えや、「卒業」「努力が報われる」などの意味もあるとか。

 北の大地の水族館では、北海道で緊急事態宣言が出された後、3月5~31日を休館。北海道での感染者数の減少から宣言が解除され、営業を再開したのもつかの間、4月20日から再び休館しています。「動物たちの世話があるので、人数を減らせるところは減らしつつも、スタッフは毎日出勤しています。でも動物たちはコロナがいようといまいと、普段通り自然とともに暮らしています」と山内さん。

 休館中はほぼ毎日SNSでの発信に取り組んでいるといい「皆さん息苦しい中、水中の景色で癒やしを感じてもらえたら。今後はバックヤードや飼育員の登場も考えたいですね」と話す一方で、「でも、やっぱり動物を見てもらって伝えることこそが役目。早く終息して、お客さんをお迎えしたいです」とも。

 1日も早く、手洗い消毒や外出自粛といった努力が報われ、コロナからの“卒業”につながりますように…!

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