いつも失敗→逃げる→自己肯定感の低下…「負のループ」を避ける褒め方は?【発達特性ある子の子育て】

西村 猛 西村 猛

 そのため、発達特性のあるお子さんに対しては、プロセスを褒めることを意識しましょう。結果ではなく、取り組んでいる気持ちなら褒めやすいですし、子ども自身も「頑張っていることを褒められた。上手くいかなくてもいいんだ」といった気持ちを持つことにつながります。

【プロセスを褒める2つのメリット】

 プロセスを褒めるということは、発達特性のあるお子さんだけでなく、どのお子さんにも効果的なものです。ここでは、その2つのメリットについて、ご紹介します。

(1)頑張る気持ちが認められる

 「頑張る気持ち」を認められることになるため、結果はあまり重要ではありません。そのため、失敗してもマイナス評価になることがなく、自分を肯定的に捉えることにつながります。

(2)保護者が子どもの応援者になれる

 プロセスを褒めることのもうひとつのメリットは、保護者の方が頑張っている我が子を見守りながら声援を送る応援者になれることです。

 分かりやすくいうと、沿道でマラソン選手を応援している人のような存在です。例えば沿道でマラソン選手に声援を送っている人は、応援するという活動を通して、沿道の選手との間に一体感が生まれます。それは、ランナーにとって何よりの自信につながると同時に、応援者にとっても「選手が頑張っている姿を見られること」が喜びにつながります。

 このように、プロセスを褒めることは、保護者の方にとって我が子を肯定的に見ることができるだけでなく、親子とも満たされた気持ちを持つことにつながり、これが親子の絆をさらに強固なものにしていきます。

【まとめ】

・子どもを褒めるときの方法は「結果を褒める」「プロセスを褒める」の2つがあります。

・発達特性のあるお子さんにおいては、失敗を恐れる傾向が強いため、結果よりもプロセスを褒めることの方が、取り組んだことへの評価、気持ちへの評価になるため、自己肯定感を上げることにつながります。

・プロセスを褒めることのもうひとつのメリットは、保護者の方が子どもの応援者になることで、保護者自身も子どもを肯定的に受け入れることができるようになり、より親子の絆を深めることにつながります。

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