「授業についていけない…」その原因は「目」にあるかも? 間違い探し絵本やボール遊びで楽しくトレーニングを

西村 猛 西村 猛

 私は学習障害のあるお子さんのための個別学習塾を運営しているのですが、保護者の方からのご相談で最も多いのは「小学校の学年が進むにつれ、授業についていけなくなってきた」というお悩みです。実はそういったお子さんの中には、「目がうまく使えていない」という方が多くおられるのです。

 今回は目のコントロール力(目をうまく使う力)が学習に与える影響と、幼児期から取り組める目のコントロール力を高める遊びをご紹介します。

目のコントロール力と学習の関係

 目のコントロール力があるということは、「目標物をしっかりと捉えることができる」ということと、「広い視界の中から、目標物を見つけ出すことができる」ということにつながります。こういった力は、学習面において、以下のような効果につながります。

・目標物をしっかり捉えることができる→板書の文字を目で追うことができる。ノートに書き写す時に、各場所(枠など)をしっかりと目で確認することができる。
・広い視界の中から、目標物を見つけ出すことができる→ノートに書き写した後、再び板書を見たとき、さきほど見ていた場所に焦点を合わせることができる。

 もし、目のコントロールが難しいと、この「見つけ出す活動」がスムーズに行えないため、先生の板書スピードについていきづらくなる原因になってしまうこともあります。特に、授業スピードが早くなる高学年になると、それが顕著になってきます。

目のコントロール力の弱さは、手先の不器用さとも関係する

 目のコントロール力の弱さは、学習のみならず手先の不器用さとも関連性があります。

 例えば、「ハサミが上手く使えない」という事例で考えてみましょう。ハサミで切っていく活動の際、「切っている場所をしっかりと見る(注視する)」ことが大事になりますが、目が上手く使えていないと、切っている場所から目が逸れてしまいやすくなります。

 紙に引かれた線に沿って切っていく場合、「線をしっかり目で追う」ことが必要になりますが、切っている場所や線をしっかり見ることができないと、「ハサミで切る」動作はなかなか上手くなりづらいでしょう。そうなると苦手意識から、子どもはこういった活動をつい避けるようになり、それが「ハサミを使う機会が少なくなる→ハサミが上達しない」ということにつながってしまいます。

 手先の不器用さは、学習時において、字を綺麗に書くことができない、字のサイズが整わないといった原因にもなってしまいます。

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