京都・鴨川名物「等間隔カップル」姿消す コロナ影響、平均間隔は通常の25倍以上に

辻 智也 辻 智也
カップルの姿がほとんど見られなくなった鴨川河川敷(8日午後3時22分、京都市)
カップルの姿がほとんど見られなくなった鴨川河川敷(8日午後3時22分、京都市)

 新型コロナウイルスの感染拡大で東京や大阪など7都府県に緊急事態宣言が出され、外出自粛が要請されている中、対象地域でない京都市の鴨川でも、名物であるカップルたちの姿がめっきり減り、きっちり同じ距離を空けて座るとされる「等間隔カップル」の法則が成立しない状態になっている。近くの商店主からは「早く普段の景色に戻って」との声が聞かれる。

 鴨川の「等間隔カップル」は、左右のカップルの中間に別のカップルが座る状況が繰り返された結果、河原にカップルが等距離で並んだ状態を指す。鴨川では荒天を除いて毎日絶えることのない風物詩だった。

 そんな「黄金法則」も、新型コロナ禍で広がる外出ムードと無縁ではいられない。京都府知事が「不要不急の外出を控えて」と呼びかけた直後の8日午後4時頃、繁華街近くの三条大橋~四条大橋間(約570メートル)にいたカップルは、わずか6組。互いの距離がありすぎるため等間隔ですらなくなっていた。あえて計算すると間隔の平均は100メートル近くにもなり、2011年に京都新聞社が調べた3・7メートルの25倍以上に広がっていた。

 三条大橋近くに座って談笑していたカップルの男性(21)は「たまに彼女と座るが、今日は隣のカップルの視線や空気感を感じなくていいので気が楽です」と話した。近くのたばこ店経営の女性は「日曜などは1メートルくらいの距離のこともあるが、コロナのせいで仕方ない。早くいつもの混雑に戻ってほしい」と表情を曇らせていた。

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