「自販機の前でうずくまっている猫を保護」高齢で体がボロボロだった→動物保護団体へ「最後まで責任もって」

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「先日1件の相談が入りました
府中のとある商業施設の自販機の前でうずくまっている猫を保護したけど
ペット不可で家族が猫アレルギーのため
長くは保護出来ないからどうしたらいいかと‥
詳しく状況を聞くと間違いなく捨て猫」

東京都府中市内にある商業施設の自動販売機前で、猫が遺棄されていることが分かりました。同施設のお客さんが気付き、施設側に連絡して従業員が一時保護。しかし、その従業員がペット不可の住宅に住んでおり、また家族に猫アレルギーがあるため長い期間は保護できず、多摩市の動物保護団体「ねこたま庵」(@nekotamaan)に相談が入ったといいます。

「11月23日の出来事で、相談はお知り合いを通じて『ねこたま庵』に寄せられました。保護された際にはすぐに病院へ連れて行ってくださり、その後、さらに詳しい検査や治療が可能な病院をご紹介させていただきました。病院ではまずウイルス検査を行い、エイズや白血病は陰性との結果でしたが、風邪の症状がひどく、涙や目やにで目がほとんど開かない状態だったそうです。また、血液検査の結果では腎不全、そして腰痛も見つかり、推定年齢は10~15歳と高齢であることが判明。さらに、口の中の状態も悪くよだれがひどかったため、抜歯も必要となりました」(ねこたま庵代表)

保護した高齢猫、腎不全や腰痛…風邪も引いていた

保護した猫は、高齢猫。腎不全や腰痛などを患い風邪も引いていて、体がボロボロのまま遺棄されていたのです。とはいえ、保護主さんのところで一時的に過ごした際には、元気を取り戻したといいます

「初めは段ボール箱の中から動かなかったものの、少しずつ動けるようになって、トイレもきちんと覚え、穏やかに過ごしていました。抜歯をしてもらったことでご飯を食べられるようにもなって。人が近づくと大きな声で鳴いて甘え、膝の上に乗せると安心してスヤスヤと眠る姿が見られるように。とても人懐っこく、愛らしい子なんです」(ねこたま庵代表)

高齢猫は、「桜子」ちゃんと命名。現在、保護主から「ねこたま庵」の預かりボランティアのもとへ移動し、穏やかな環境でのんびりと過ごしているとのこと。この先、桜子ちゃんの里親さんを探す予定だそうです。

保護団体代表「『捨てる』のではなく、最後まで責任を持って行動を」

今回遺棄された高齢猫の桜子ちゃん。人も猫も年を取るものですが、なぜ一緒に暮らしてきた“家族”を捨てるという選択をするのでしょうか…。「ねこたま庵」の代表はこう訴えます。

「どうして今まで一緒に暮らしてきた家族を捨ててしまうのでしょうか。年老いて見知らぬ場所に放たれたこの子が、どれほど辛く、悲しく、心細い思いをしたのかを考えると、胸が締め付けられます。残念ながら、捨て猫は後を絶ちません。今年9月にも、多摩市内で似たような状況の猫を保護しました。事情があって飼えなくなる場合でも、『捨てる』のではなく、最後まで責任を持って行動していただきたいと切に願っています。そのために、以下のような方法があります。
・自ら里親を探し、新しい飼い主を見つける
・行政や保護団体に相談する
猫は物ではなく、大切な命です。癒しやかわいさだけで飼うのではなく、その命に真剣に向き合い、家族として迎え入れた以上、最後まで責任を持って寄り添っていただきたいと思います。桜子ちゃんのように、悲しい思いをする子が1匹でもいなくなることを、心から願っています」

      ◇  ◇

飼い主が不明の猫の保護やTNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻すこと)、多頭飼育崩壊などについて行政と連携をとりながら活動している「ねこたま庵」。今回の投稿には、たくさんのコメントが寄せられています。

「高齢猫に見えない幼い顔してますね。可愛い♡助けて下さり感謝します。ずっとのお家が見つかるといいな!」
「捨てた人間も年取ったら同じ目に…いや、それ以上の目に遭いますように…と願ってしまうのは私だけでしょうか?」
「保護してもらえてよかった 捨てる人間許せない」
「想像しただけで、つらくなります。助けてもらえて良かったです」
「こんな状態の子を外に捨てるなんて、酷いことをする人がいるんですね」

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