京都の鴨川に架かる三条大橋周辺でよく見られる光景を「勢力図」と銘打って図解したイラストがTwitterで爆発的に注目されています。鴨川べりにカップルが等間隔で座る、いわゆる“鴨川等間隔”を筆頭に、路上ライブや散歩中の犬、自転車、ファミリー、果ては瞑想おじさんまで網羅。あの界隈をよく知る人にとっては、にやりと笑える「あるある」が満載です。一方で、珉珉(中華料理店)前あたりの「グローバル飲み会」や、カモおばさん、自己啓発靴磨き青年」など、かつて大学時代を京都で過ごした筆者にもちょっとわからない謎の勢力もちらほら。投稿したマルチクリエイターでエンジニアの「こち」さん(@cochi_wan)に話を聞きました。
「よくできてる」「まさにこれ」
「京都人ならこれ見て納得」「大正解すぎて目に浮かぶ」
「グローバル飲み会めっちゃわかるwww」
「このローソン前にいる酔っ払いと喫煙者...あ~いるいるw」
「トンビスタンバイwww」
…など、多くの笑いと共感を呼んでいるこの投稿。実はこちさんは以前、さらに上流の人気スポット「鴨川デルタ」勢力図を投稿してバズり倒した実績があります。鴨川に強すぎる。
——まず、グローバル飲み会が気になりました。
「恐らく京都かどこかに住んでいらっしゃる海外の方が、珉珉の前辺りに車を停めてよく集まっているんです」
——カモおばさん、自己啓発靴磨き青年とは。
「カモおばさんは、いつもカモにエサをやりにくるおばさんのことで、自己啓発靴磨き青年は『靴を磨くからその間自分の夢などを聞いて欲しい、お金はあなたの払いたいと思った分だけ払って欲しい』と言ってくる青年のことです」
——制作者として、勢力図の注目ポイントは。
「鴨川初心者の方には、おだやかカップルやファミリーの所がオススメです。上級者の方は、トンビに怯えながら等間隔カップルの所に座り、何か食べるのを楽しむのが良いと思います」
「個人的な注目スポットは、夕方から夜にかけての瞑想おじさん辺りです。日が出ていると眩しかったり暑かったりするのですが、左側(西岸)と比べて大分落ち着いており、おひとり様やカップルなど、おだやかな時間を過ごしたい方にオススメです」
——6月には「鴨川デルタ勢力図」も話題になりました。京都在住のこちさんは、鴨川にどのような思い入れがありますか。
「元々京都の学生だった事もあり、鴨川はとても身近な存在です。体が弱く、療養も兼ねて自然豊かな鴨川を人一倍散歩するようになりました。つらい時に寄り添ってくれる、そんな鴨川に救われています」
——再び鴨川の勢力図でバズった感想は。
「まさか再度勢力図でバズるとは思いませんでした。また、沢山の『わかる!』『懐かしい』『実際に見に行って確認してみたい』などの声をお寄せいただきました」
◇ ◇
勢力図を作る際には「実際に見聞きした物しか書かない」「向きが決まっている勢力はその向きに文字を傾ける」「マップは正確に、アバウトに」を心掛けているという、こちさん。私も元京都(の)大学生として、新作を楽しみにしています。次はどの辺かな? 京都御所とかかな? 知らんけど。
ちなみに鴨川デルタ界隈は、9月30日に劇場公開されるアニメ映画「四畳半タイムマシンブルース」でも印象的に登場するので、京都好きの人は要チェックどす。