「まるたい」「まるがい」「まるそう」?…何でも丸囲み文字で略しちゃう!<警察編>

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平藤 清刀 平藤 清刀

刑事ドラマでもよく耳にする警察用語。しかしその多くは、一般人が聞いても咄嗟に意味の分からない略語が多い。筆者の友人で元警察官のAさんによると「警察では、何でもかんでも丸で囲んで略す傾向があります」という。

警察で使われる略語は漢字1文字の丸囲み

「“まるたい”が外へ出た」「了解、尾行する」―張り込み中の刑事が、無線でこんなやり取りをしているドラマのシーンがある。「まるたい」とは被疑者や容疑者などの行動確認対象者のこと。「対」の丸囲み文字で、警察独特の略語の書き方&言い方である。

丸囲み文字であらわす略語を、他にもいくつか列挙してみよう。

・まるがい……○+害で、被害者。「がいしゃ」ともいう。
・まるうん……○+運で、運転手。
・まるさん……○+参で、参考人。
・まるそう……○+走で、暴走族。
・まるち……○+知で、知能犯。
・まるひ……○+被で、被疑者。
・まるエックス……○+Xで、火炎瓶。
・まるぼう……○+暴で、暴力団。あるいは「○+B」で「まるビー」ともいう。

暴力団について、前出のAさんによると岐阜県警ではドイツ語で暴力を意味する「Gewald(ゲバルト)」の頭文字をとって、丸囲みなしで「G」と呼んだり書いたりしているという。

被疑者を逮捕するには「おふだ」が要る

罪を犯した疑いのある人物が今にも逃亡しそうだとか、指名手配犯に遭遇したときは「緊急逮捕」。現に犯罪行為を行ったことを現認したときは「現行犯逮捕」。これらは逮捕令状がなくても逮捕できるが、通常の場合は被疑者を逮捕するには、裁判所から交付された逮捕令状が必要だ。その逮捕令状のことを「ふだ」または「おふだ」と呼ぶ。

逮捕令状を請求できる警察官の階級と役職は、警察署で課長、警察本部で係長相当職を務める警部以上の階級にある者(指定警部以上という)と定められていて、警察官だったら誰でもいいというわけではない。

しかも逮捕状には通常7日間という有効期限があって、期限が切れたらその逮捕状で逮捕することはできない。

さて、逮捕される被疑者のことを、ドラマでよく「ホシ」といっているのを聞いたことがあるだろう。これは「目星をつける」から「ホシ」と呼ぶようになったという。ちなみに岐阜県警では、なぜか「たま」と呼ぶそうだ。

過去の交通違反や犯罪歴は「123」で照会

ドラマのセリフでも、ときどき出てくるのが「123」という数字。職務質問を受けたことのある人なら、警察官が合勤者に向かって「123で照会頼む」と指示しているのを耳にしているかもしれない。読み方は「ひゃくにじゅうさん」「いち、に、さん」「ワンツースリー」など、とくに決まりはないらしい。

これは「照会センター」のことで、123は警察電話の番号に由来する略号だ。全国共通で、交通違反歴や犯歴を紹介できるシステムになっている。

職務質問は基本的に警察官2人で行うので、対象者に免許証など身分確認できるものを提示させて、1人が質問している間にもう1人が警察本部に無線で連絡し、照会センターへ取次ぎを頼むのである。

123で照会する違反歴や犯歴には、次のような区分がある。

たとえば警視庁の警察官だったら「警視○○○○ですが、免確(めんかく)による男、総合(そうごう)1本願います」と連絡する。「免確(めんかく)による男」とは、免許証で氏名を確認した男性」という意味で、「総合」とは上の表にある項目を全部照会してくださいという意味になる。「私は個人的にフルコースとよんでいました」(Aさん)。

   ◇   ◇

最後に番外編として、「まぐろ」という用語をご存じだろうか。

これは鉄道に轢かれた死体のことで、鉄道業界でも同じ言葉が同じ意味で使われている。轢断された断面が、まぐろの断面と似ていることからこう呼ばれるようになったらしい。

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