サバにこだわる“総合商社” 3・8サバの日に新店舗オープン目指すも新型コロナ影響で…

山本 智行 山本 智行

 梅の産地としても知られる和歌山県田辺市に世界一“うめ~サバ”が食べられるサバグルメパーク「SABARビレッジ和歌山田辺店」がオープンする。場所は「和歌山県おさかな村」の一角。手掛けるのは「サバの総合商社」を目指す「株式会社SABAR」(本社・大阪府豊中市)で、このほど現地でのサバの養殖に成功。“サバの日”にちなんで3月8日にグランドオープンを予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮してプレオープンにとどめることになった。

 またひとつ、サバへの思いが実った形だ。「SABAR」は「鯖や」とともに鯖寿司の販売からサバ料理専門店まで、サバ一筋のビジネスを展開している。「鯖や」の設立は2007年。現在は京阪神を中心にや東京、広島などでも店舗展開し、かつては香港、シンガポール、上海などで催事販売するなどワールドワイドな実績を持つ。

 「SABAR」は、さば料理専門店として14年に大阪・福島店からスタート。南森町店は「サバ族館」、京橋店は「サバーランド」、京都烏丸店は「サバ屋敷」など京阪神だけで12店舗あり、それぞれコンセプトが違い、メニューも店舗ごとに変えている。

 代表取締役社長の右田孝宣さんは「サバは回遊魚なので、お客様にも店を回遊してほしいという願いを込めています。席数は38席、38メニューを目指し、目標は38店舗38業態を展開すること。私たちはあくまでサバ商品のメーカーであり、SABARはその魅力を伝えるアンテナショップという位置づけ」と、とことん”サバ”にこだわる。

 人気の秘密は真鯖の中でも三陸沖から銚子沖で獲れ、魚体550グラム以上、脂質含量が21%以上という3つの条件を満たしたものを「とろさば」としてブランド化したことだ。また鳥取県とJR西日本が共同でブランド化を進める養殖の「お嬢サバ」を提供し、普及にひと役買っている。この「お嬢サバ」は養殖なので寄生虫のアニサキスが付きにくく、生で食べられるのが特長だ。

 今回、オープンするサバグルメパーク「SABARビレッジ和歌山田辺店」で提供されるサバもその特長を持っている。

 出店に際し「世界一のサバ養殖プロジェクト」として始動。和歌山県串本町にある陸上養殖施設で、人工種苗で鯖を稚魚から育て、そこから海面生簀に鯖を移し、約1年かけて独自の手法で育てたもの。これまでにない味覚と品質を生み出すことに成功した。もちろん、完全養殖のため、生食でも食べられる。

 右田さんは「世界一のサバを目指し全国へ出荷、将来的には世界各国へ輸出することを目指しています」と意気込んでいる。

 場所は丸長水産が運営している体験型観光施設「和歌山県おさかな村」の一角。ここでは生簀で獲った貝やエビのBBQをはじめ、和歌山の海の幸をふんだんに使った料理を提供している。

 SABARビレッジ和歌山田辺店は、養殖サバが育つ課程が一目でわかる展示など、大人から子どもまで楽しめるエンターテインメント性と、国内外のバイヤーにサバの魅力を披露するショールームを兼ね備えたエリアを設置。世界各国の料理をアレンジしたサバ料理も楽しめる。

 また、ここ限定の「和歌山の養殖サバの姿造り」(自分で釣った方/2980円、釣りをしていない方/3300円)「和歌山の養殖サバのにぎり寿司2貫」(560円)も用意されている。

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