富山県に住む恭子さんは、愛猫を亡くして以来、なかなか新しい猫を迎える気になれないでいた。猫は好きだが、飼うとなると何かきっかけになることが必要だった。しかし、保護主さんのところにいた子猫と娘さんが出会い、新しい猫との生活が始まった。
用水路に落ちかけていた子猫
2011年5月、もかちゃんは、子猫の時、用水路に落ちかけていたところを、個人で猫の保護活動をしている人に助けられた。お母さん猫や兄弟猫は見当たらず、たった1匹でいたという。生後1カ月半くらい。猫風邪をひいていた。
富山県に住む恭子さんは、保護主さんの近所に住んでいたのだが、娘さんが保護主さんの家の前を通ると、一匹の猫がいた。可愛いと思ってなでていると、保護主さんから「家の中に保護した子猫がいるんだけど、飼ってみない?」と声をかけられた。
帰宅した娘さんからもかちゃんを飼いたいと言われ、恭子さんは、久しぶりに新しい猫を迎えることにした。恭子さんは、2010年10月に愛猫を亡くしたのだが、何かきっかけになることがないと新しい猫を迎える気になれないでいた。娘さんからもかちゃんの話をされた時にも「動物病院でも里親を募集している子の貼り紙がしてあるし、他にも里親を募集している子がたくさんいるけど、その子がいいの?」と言った。しかし、実際にもかちゃんを見た娘さんは、もかちゃんがいいと強く言った。
「娘の言葉が背中を押すきっかけになって、早く決断できました。もかは3匹目の猫になります。いままでも近所の人のところで生まれた子猫や拾った猫を飼っていたので、今度猫を飼う時も保護猫にしようと思っていました」
手のひらサイズの女の子
2011年6月18日、保護主さんのところに行くと、恭子さんと会ったことがある人だったので、「あんたとこの娘さんやったんかいね」と言われた。
もかちゃんは、手のひらに乗るくらい小さな女の子だった。薬を飲ませなければならなかったのだが、苦い薬をなかなか飲んでくれなかった。オブラートにくるんでもだめだった。
「動物病院で甘みをつけると飲みやすいと言われたので、少量のアクエリアスに混ぜて、スポイトで飲ませたら、飲んでくれました」
娘さんは、もかちゃんのことを可愛がり、学校から帰ってくると、いつも自分の部屋に連れて行った。
人が好き、外で遊ぶのも好き
もかちゃんは、洗濯物を畳んでいると、隣に来て乾いたばかりの洗濯物にオシッコをしてしまったり、布団の上にもしてしまったりする。
「タオルや脱衣所にある洋服や制服にオシッコをかけられて、学校に行ってから臭いと気づくこともあったんです。トイレの砂を細かいものに変えると少しましになりましたが、いまでもそそうは続いています」
しかし、それでも恭子さんはもかちゃんを可愛がっている。
のびのび暮らしているもかちゃんは、とても好奇心旺盛で、人が好き。来客があると、我先にと玄関に走っていく。2階で寝ていても階段を駆け下りて、お迎えに行く。夜、眠る時は必ず誰かのそばで寝る。
晴れた日には、「外に出して、出して」と玄関まで恭子さんを連れて行き、開けてくれと催促する。恭子さんの目が届く範囲ではあるが、外で遊ぶのを楽しみにしているそうだ。