ロシアの侵攻を警戒…明治期に作られた「城山砲台」
山を上がって来ました。見えてきたのは明治期に作られた「城山砲台」です。旧日本軍の砲兵部隊が、1901(明治34)年に作りました。折しも日露戦争の直前。近代においても対馬は国防の最前線にあったのです。
コンクリートで作られた砲座や弾薬庫などの遺構が残ります。これだけ残っているということは逆にいえば実戦では使われなかったということ。味わい深い廃墟として楽しめるということは、平和にこれまで時を重ねてこれた証明でもあります。
砲台から少し離れた場所に、地面に彫り込んだような穴が作られていました。「ここに人が入って、敵国の船が来ないか見ていたようです。子どもさんとかは入って偵察する真似とかよくされますね」(上原さん)。でも、ここで1日水平線を見続けるというのは…防人ではありませんが、本当にどんな気分だったのでしょうか。