コストコを超える!?幻の巨大ピザ屋が、半世紀前の姫路にあったらしい…「新し過ぎて」1年もたず

広畑 千春 広畑 千春

  となると、姫路の「ジャンボピザ」が登場したのはシェーキーズよりも1年も早く、宅配ピザが登場した1985(昭和60)年より10年以上前!当時としては、かなり「流行の最先端」を突っ走る存在だったようです。が…、その後の悲しい道のりも含め、同社の広報担当者に聞いてみました。

―えっと、そもそも論ですが、なぜ回転焼き屋さんがピザを?

「実は、当社は創業当時から、回転焼きとうどんを主に展開しておりまして...」

―え?うどん?

「はい。人間、やっぱり辛いものを食べた後に甘いものが欲しくなる だろうということで...。他にも、回転焼きの餡の原料になる小豆の出来はどうしても天候に左右され、主な産地が不作になれば仕入れ値も高騰してしまいます。そこで食堂部門でバランスをとってきたと聞いています。同じ小麦粉を使いますしね」

―なるほど。でもピザとは斬新な。

「前会長はかなりのアイデアマンで、新しいものが好きだったそうです。当時は急速に食文化の欧米化が進み、このままでは昔ながらの回転焼きも食べられなくなるかもしれない…ということで、同じ『丸いもの』つながりでハンバーガーに活路を見出そうと、視察のため渡米しました。ですが、そこで某大手チェーン店の事業規模を目の当たりにし、代わりに日本で流行り始めていたピザに挑戦したようです」

―確かに、ピザも丸いです。

「ですが、ピザに関して言えばちょっと先を行き過ぎたと申しますか、早過ぎたということでしょうか...。その教訓から『今、回転焼きにこうして並んでくれているお客様をこそ、大切にしないといけない』と、180 度方針転換したと聞いております」

  現在、御座候は店頭で焼くスタイルで全国にチェーン展開し、関西では回転焼きの代名詞にも。本社そばには「あずきミュージアム」を開設し、小豆の歴史や文化も伝えています。一方、ピザについてはレシピなども一切残っていないのだとか。

  幻の巨大ピザ、一体どんな味だったのでしょう。食べたことがある!という方 はぜひ、ご一報を!

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