子どものころ、ファミレスでお子様ランチを食べるのが憧れだった。コロッケにハンバーグ、エビフライにあの旗。大人になった今はもう頼めないが、福井県の北陸自動車道南条サービスエリア下り線フードコートには、大人による大人のための「大人様ランチ」があるらしい。SNS上でも「見るだけで血糖値上がる」「胃薬持ってないとやばい」「大人でもある年代を超えると無理」などと話題を呼んでいる、その衝撃のメニューはなぜ生まれたのか、フードコートの店長に聞いてみた。
－まず、中身を教えて頂けますか？
「はい、行きますよー。ごはん６００グラム、トンカツ１５０グラム×２枚、牛肉コロッケ１個、唐揚げ３個」
－うっ…。
「それからメンチカツ１枚に、カレーをたっぷりかけて、温泉卵を乗せて旗を立てています。総カロリーは３７２２キロカロリーです」
－聞いているだけで、胸やけ…いや、官能的な…。何でまたこんなメニューを？
「メニューとしては１０年以上前からあります。開発当時の担当者は退職してしまったので詳細は分からないんですが、レストランのサンプルを見てお客様が『おっ』と思う目玉商品を－というので作ったようです。当時は大食いブームだったので、それに乗っかったところもあるかもしれませんね」
－お値段もなかなかですが、売れ行きは？
「土日祝日はよく出て、３、４人でシェアしたり１人で挑戦したりされています。お1人だと１時間弱ぐらいかかって、それでも食べきれないというお客様もおられます」
－ほかのメニューに「デカソースカツ丼」などもあるんですが、ひょっとして福井県民は大食いの県民性なんですか？
「いえいえ！僕は福井生まれ福井育ちの福井県民ですが、普通です。最近はB級グルメとしてごはんの上にはみ出るぐらいのカツを乗せたソースカツ丼も人気ですが、福井県は昔、京の都へサバを運んだ『鯖街道』の出発点。海産物やそばも美味しいんですよ。ただ、やっぱり高速道路のSAなので、トラックのドライバーのお客様も多く、デカソースカツ丼とかデカカツカレーが人気で。大人様ランチはそのどちらもが楽しめるんです」
