作家として活動を始めた2015年ごろからグラスにしたいと試行錯誤を始め、3回目の個展のわずか数日前、実に5年近くの歳月をかけようやく完成。「ガラスを薄くはぎ取った膠を洗い落として、初めてその姿が現れるんですが、狙った通りに結霜模様を入れるのが非常に難しい。だから、成功した瞬間は、これまで失敗の連続だったので、本当に自分の手によるものなのかと信じられない気持ちでした。あの憧れた美しい自然模様が目の前にあるのですから」と振り返ります。
早速、自身のツイッターに写真とともに投稿したところ、「あまりに美しくて鳥肌が!」「キレイ」などのリプライが次々に届き、ネットショップにも注文が相次いでいるとか。
大きな反響に「グラスにしたらいいな、と思ってはいましたが、こんなにも多くの方に共感頂いているのだなと嬉しくなった」と可夜さん。色のバリエーションを増やすほか、ランプにも取り組む一方で、「結霜ガラスはあくまで手法の一つ。ここからどうやって、自分の代表作である蒼のダイヤモンドダストや銀幽玄などに取り入れるかを楽しみにして貰えたら」とさらに先を目指しています。
温暖化のせいか、最近ではあまり霜が張った光景を見かけることも少なくなったような…。でも、寒い夜にこたつに入って、こんなグラスにキリリと冷えた日本酒を注いで、ゆく年を見送れたら…。もう至高のひと時、ですよね!
あ、そうそう。ちなみに可夜さんは「猫切子」でも有名です。そのお話は、また次の機会に…。
可夜さんの作品はhttps://icecrack.booth.pm/から。