自分自身の変えづらい要素を「なんとかして変えたい」と思っている人は少なくありません。漫画家・柏木大樹さんの作品『みょーじ』では、「苗字」をどうしても変えたい女子の心境が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約1万ものいいねを集めました。
ある日廊下を歩いていた男子生徒・丸鷹頼(まる・たかより)は、突如見知らぬ女子生徒から「結婚を前提に付き合ってくーださい!」と声をかけられます。「恋愛とか興味ない」と断る丸でしたが、女子生徒は「あなたが好きというわけではないわ!『丸』という苗字のためよ!」と告げました。
彼女の名前は霞野薔薇(かすみのばら)ともえ、画数の多い苗字から離別するのが目的だったのです。面白そうと思った丸は、彼女の話を聞いてみることにしました。
霞野薔薇によると「名前の画数が多すぎてテストに間に合わなかった」ことが多々あり、苗字に恨みを持っているようです。
しかしそんな丸も、霞野薔薇と話すうちに好きなところをひとつ見つけました。それは『苗字』です。「品があって威厳もある感じがする」と言われ心を大いに揺さぶられ、霞野薔薇は本当に丸のことが好きになってしまいました。
脳内で未来を高速に思い描いた霞野薔薇は、丸に「私の苗字で行く方向で、あらためて結婚を前提に付き合ってください」と伝えます。しかしそうなると、丸の名前は『霞野薔薇鷹頼』となり総画数はなんと100文字。
丸は「冗談じゃない!!」と言うも霞野薔薇は「結婚は本気ってことね!」と満面の笑みを浮かべ、心のなかで『丸』という苗字に別れを告げたのでした。
読者からは「勢いがありすぎて笑った」「どちらも微笑ましい」と、作品のノリを楽しむ声があがっています。そこで、作者の柏木大樹さんに話を聞きました。
「齋藤って名前、書くの大変そう」と思い描いた作品
―『苗字』をテーマに作品を描こうと思ったきっかけを教えてください
最初は「齋藤」という苗字を見かけたときに、「画数が多くて日常的に書くの大変そうだなぁ」とぼんやり思ったのをメモしたのがきっかけでした。
で、いざ漫画にするにあたって、せっかくなのでもっと極端に画数を増やして「この苗字から脱出したい」という少女の気持ちの説得力を高めてみました。
―コメントの中には、「夫婦別姓にすればよいのでは」といった意見もみられました。これについて、作者としてどのように感じていますか?
この2人はこのお話の中ではその道を選ばなかった。それだけです。
―テンポが良い今作ですが、柏木さんがお気に入りの台詞やコマなどがあれば教えてください。
「冗談じゃない」に「本気ってことね」で返すところですね。バカバカしくて前向きで自分勝手で、彼女らしさが詰まっていて気に入ってます。
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