電車内でのメイクってどうなの? 隣の女性の「パフ攻撃」「ミスト攻撃」でノックダウンされた私

竹田 扶美可 竹田 扶美可

「誰にも迷惑かかっていないんだから、いいんじゃないの?」

自分はそう思っていたとしても、気づかないうちに迷惑をかけていることってあります。たとえば、『電車のなかでのメイク問題』です。

ある日、私は京都から大阪まで電車で移動していました。

「今日はちょっと湿気が多いな…」なんて思いながら、ふと向かいに座る女性に目をやります。その女性は20代後半~30代前半くらい。とても疲れているようで、スヤスヤと夢のなか。この時点では特に変わったことではないため、気に留めることではありませんでした。

そして車内アナウンスが「次は〇〇駅~、〇〇駅です」といったとき、今まで気持ちよさそうに寝ていた女性が、驚いた様子でハッと目を覚まします。

「次が降りる駅なのかな?」と思っていると、女性はおもむろにカバンのなかをあさりだします。取り出したのは大きなポーチ。お弁当箱くらいのサイズの、とても大きなポーチです。なかにはメイク道具が入っているらしく、女性はあわただしくメイクをはじめます。

「なるほど。降りる駅が近くなったから、急いで化粧をしているのか」

女性が電車のなかでメイクをする光景はそれほど珍しいことではありません。朝の通勤ラッシュに乗っていると、必ずといっていいほど見かけるようなものです。

でも、これってどうなの?と私は思います。だって、メイク中の顔って結構なブサイク具合じゃないですか?少なくとも私は人様に見せられるようなものではありません。

鼻の下を伸ばして細かい溝の部分にまでファンデーションを塗りこんだり、白目をむいたような状態でアイラインを引いたり。何よりも白紙の状態から完成形までの全工程を惜しげもなくさらすって…私には到底できません…。

私は興味本位で向かいの席に座る女性に再び目をやります。その女性も完全にすっぴんの状態からメイクをはじめます。下地、ファンデーション、アイブロウ、アイシャドウ…あらゆる道具が次から次へと登場。「これは常習犯だな」と思わざるを得ない手際の良さ。

飽きれるどころか、ちょっと感心してしまうほどですが、やっぱり私は『電車のなかでのメイク』は肯定的にはなれません。

そんなこというと、「誰にも迷惑かけてないから、いいんじゃないの?」といわれるかもしれませんね。

でも果たしてそうでしょうか?私は実体験として、迷惑をかけられたことがあります。

ある日、私の隣に座っている女性がメイクをはじめたことがありました。その女性もカバンのなかから大きなポーチを取り出して、ファンデーションから順番に化粧を進めていきます。途中まではよかったんですよ。カチャカチャというせわしない音が気になったくらいで、大きな被害はなかったですから。

でも、その女性はメイクも終盤に差し掛かると、パウダーファンデーションを取り出し、パフをつかってパタパタと顔をたたきます。パウダーファンデーションをお使いの方はおわかりいただけるかと思うのですが、あれって結構、細かい粉が飛ぶんですよね。気管支がそれほど強くない私は、そのパフ攻撃にやられてしまいます。

「ゴホッゴホッ」とむせる私の存在なんて消し去るかのように、女性はメイクを続けます。そして、最終攻撃がミスト!女性は、メイクが完成すると顔全体にミストの化粧水をふりかけ完全体となります。

私はファンデーションのパウダーと、化粧水のミストで完全にノックダウン。臭いもきついし、気管支もやられるし、朝からテンションはダダ下がりでした。

このような経験から『電車のなかでのメイク』に否定的なのですが、一方で朝の忙しさは理解できます。前日の疲れが完全にとれないまま朝を迎える人にとって、メイクは本当にわずらわしい作業です。すっぴんで仕事場に行けるならそれほどラクなことはないですが、働く女性にとってメイクとはエチケット的な要素もあります。メイクにかける5分~15分があるなら、もう少し寝ていたい!と思うことだってあります。少しでも朝の効率を良くするために通勤電車のなかでメイクをするというのもわからなくはないです。

でも、迷惑を被っている人がいることを知ってほしい!

もし電車のなかでのメイクをやめられないのであれば、もう少し周りに気を遣ってほしいですね。

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