京都水族館(京都市下京区)の入り口近くに、昔懐かしい特撮の怪獣図鑑を思わせる絵柄のパネルがお目見えし、話題を集めている。不気味なタッチで描かれているのはもちろん、地球外生命体でも怪獣でもなく、オオサンショウウオ。あのぬめーとしてとらえどころのない生き物の印象が一変するくらいのインパクトを来館者に与えている。
オオサンショウウオは世界最大の両生類で、京都では鴨川上流などに生息している。京都水族館では、チュウゴクオオサンショウウオとの交雑種を中心に約20匹が飼育されており、年間パスポートの写真に使われているほか、ミュージアムショップで全長170センチの巨大ぬいぐるみが人気を集めるなど、館の「顔」とも言える存在だ。
怪獣図鑑のようなパネルは、9月9日の「オオサンショウウオの日」に合わせ、入り口付近のオオサンショウウオの飼育エリアに置き始めた。2種類あるデザインは、いずれも赤と黒を多用し、おどろおどろしい雰囲気を演出している。
入り口寄りの1点は「オオサンショウウオ大図解‼」というタイトル。「オオサンショウウオは国の特別天然記念物…そして危険だ!」と警告を発し、「かみつく速さはすさまじく、大変強い力」「ゼッタイ触ってはイケナイ!」と畳みかけ、デンジャラスっぷりを強調する。さらには「必殺の白いネバネバ」。危険を感じると、体の表面にあるイボから白いネバネバした液を分泌するという特殊能力まで説明してくれる。
もう1点のパネルは「これが!オオサンショウウオ大展示水槽だ‼」。飼育員がモデルとなった「ご飯のあげ方大公開」という3コマ漫画を掲載し、「全てのオオサンショウウオにご飯を与えるため、飼育スタッフはいつも大格闘だ!」と普段の苦労ぶりを紹介している。
パネルは来館者の探究心をくすぐるのが狙い。広報担当は「オオサンショウウオに興味がない方にも、わくわくして水槽を見てもらいたい。鴨川という身近な自然に生息する世界最大級の両生類に興味を持ってほしい」と話す。春まで設置予定。入館料が必要。