三つ子に「マヨ・ネー・ズー」「スク・ラム・トライ」… 動物園の独特すぎる名づけの流儀

黒川 裕生 黒川 裕生

「のいち動物公園、さては名前のセンスが独特だな?」

Twitterユーザーのあめこさん(@aaamecooo)が、そんな投稿をしたのは10月末のこと。高知県立のいち動物公園で5月に生まれたビントロングの三つ子の名前が「マヨ・ネー・ズー」に決まったことを知らせるパネルの画像は、SNSなどで「面白い」「行ってみたい」と反響を呼んだ。時をほぼ同じくして、神戸市立王子動物園でも、7月に生まれたアムールヒョウの三つ子の名前が「スク・ラム・トライ」に決定。…あれ?もしかして動物園の名づけのノリって、どこもこんな感じなのかしら。

名前の発想はかなり安直…かも

のいち動物公園によると、「マヨ・ネー・ズー」は一般公募の中から園のスタッフが選んだという。「父がソルト、母がケチャップなので、調味料つながりで考えてくださいました」と担当者。ちなみに応募総数は452通で、やはり調味料や食べ物関係の名前が目立ったらしい。

一方の王子動物園は、「スク・ラム・トライ」の他に、「テン・テコ・マイ」、「ロク・コウ・サン」、「シチ・フク・ジン」の候補を園が出し、11月13日に一般投票で決定。野暮を承知で由来を説明すると、「スク・ラム・トライ」は神戸も会場になったラグビーW杯にちなんでおり、「テン・テコ・マイ」は三つ子の人工哺育で飼育員がてんてこ舞いだったから。「ロク・コウ・サン」は神戸の六甲山で、「シチ・フク・ジン」は誕生日が7(シチ)月29(フク)日だから、とのことだ。なんとなくだが、どの候補にもある種の哲学が通底しているように感じられなくもない。三つ子ならではの関連性を持たせているのもポイントと言える。

ただ、同園の担当者は「命名に明確なルールはありません。かなり大雑把に決まることもありますよ」と笑う。

例えばカピバラだ。同園では「あさひ・きりん・えびす」というビール3きょうだい、「めんま・ちゃーしゅー・わかめ」というラーメンの具3きょうだいが有名。では全部が全部そんな“濃い”感じなのかというとこれが違っていて、今は「パピコ・モナカ・ソウ」という涼やかなアイス3きょうだいがいる。担当者は「アイス3きょうだいは、それまでの男性ではなく、女性スタッフが名づけ親です。動物の名前は、スタッフの性格やそれぞれの園の雰囲気などによって特徴が出ます」と説明する。

そもそも頭数が多い動物は、名前なんて1匹ずついちいち真剣に考えていられないのかもしれない。「イチジ、ニジ、サンジとか、単純にイチ、ニ、サンとしか呼ばないケースもあります」と、ある関係者。数の多いフラミンゴなど、種類によっては最初から名前をつけないことも珍しくないという。

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