沢尻エリカ容疑者 起訴されれば執行猶予付き判決か…逮捕後の流れ、勾留中に尿鑑定も

平松 まゆき 平松 まゆき
沢尻エリカ容疑者
沢尻エリカ容疑者

 女優の沢尻エリカ容疑者(33)が合成麻薬MDMAを所持したとして、警視庁に16日に逮捕された。調べに対し、沢尻容疑者は10年以上前から違法薬物を使用していたことなどを供述しているという。今後、沢尻容疑者にはどのような手続きが待っているのか。また、起訴されればどのような判決が予想されるのか。元アイドルとして歌手デビューを果たし、芸能界に在籍した経験を持つ平松まゆき弁護士にQ&A方式で解説してもらった。

入手ルートの取り調べ

 Q 17日に送検されました。このあと沢尻容疑者が勾留されるのは最大何日ですか?また、勾留中に何が行われるのでしょうか。

 A 一般的な流れとしては次のとおりです。まず、送検されてから24時間以内に検察官が裁判官に対して「勾留請求」をします。これから容疑者(被疑者)を取調べたいので、身柄を拘束するための許可をしてくださいとお願いするイメージです。これを受けて裁判官が勾留決定をすると、そこから原則的には10日間、延長されればさらに10日で最大20日間勾留され、尿鑑定や入手ルート等についての取調べが行われます。或いは検察官が勾留請求をせずに容疑者をいったん自宅に返し、在宅事件として引き続き捜査するということもあり得ます。

 Q 検察官が勾留請求する場合と、在宅事件にする場合の差はどのようなものがあるのでしょうか。

 A 一概には言えませんが、そもそも「勾留」というものは犯罪の嫌疑があること、被疑者が定まった住居を有しないこと、罪証隠滅のおそれがあること、逃亡のおそれがあること等を判断して決定されます。印象としては、薬物事件は入手先や仲間うちに連絡して口裏合わせをすることが考えられますから、罪証隠滅のおそれがあるとして勾留決定がされやすいように思います。

 Q 勾留決定されると、最大20日間身柄拘束されたまま一度も家に帰れないのですか?勾留中に保釈ということもありますか?

 A 勾留中は家に帰ることはできません。ただし、勾留決定後、裁判官の勾留決定に対する「準抗告」という不服申立ての制度があります。もっともこの不服申立てが認められる確率は低いと言われています。「保釈」はこの段階では認められません。後で述べるように保釈は起訴された後に初めて使える制度です。結局のところ、検察官が早期に処分保留や在宅起訴の判断をしない限り、勾留中は一度も家に帰ることはできないということです。
 Q 勾留が満期になったらどうなりますか?

 A 検察官が被疑者に対する処分を決定します。大きくは「起訴処分」と「不起訴処分」に分かれます。まず「起訴処分」についてですが、簡単にいうと刑事裁判を受けさせるための決定というイメージです。起訴されてからおよそ2カ月くらいで刑事裁判が開かれます。さきほどの「保釈」については、起訴されたこの段階ではじめて使える制度となります。また、起訴されると「被疑者」という呼び方から「被告人」に変わります。或いは法廷での刑事裁判は行わず、罰金の支払い等で済ませる「略式起訴」という場合もあります。次に「不起訴処分」には、犯罪の嫌疑がない場合や嫌疑が不十分の場合、嫌疑は十分だけれども、被害弁償や本人の反省等の情状を考慮して「起訴猶予」にして釈放するという場合等があります。

 Q 今回の沢尻容疑者は麻薬取締法違反ですが、どのような判決が予想されますか。

 A 余罪等によっても異なりますが初犯であれば懲役1年~1年6カ月、執行猶予3年程度ではないでしょうか。

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