ボール遊びも大声も禁止…「そして誰もいなくなった」 荒れ行く公園が問い掛けるもの

広畑 千春 広畑 千春

 日中なのに人気がなく、ひっそりとした公園。長く訪れる人もいないのか、地面は雑草に覆われ始めていた―。そんなもの悲しい公園の写真がツイッター上で話題になっています。

 「『危ないから』と遊具を撤去し、『危ないから』とボール遊びを禁じ、『危ないから』と花火を禁じ、『危ないから』と外遊びを禁じ(中略)やがて老人たちもこの世を去り、誰もいなくなった」といったコメントとともにツイートしたのは、冒険ファンタジー系オールドスクール・ファンタジーミニチュアの輸入販売や執筆業を手がける籾山庸爾(@Paint_Hermit)さん。投稿には「公園が公園でなくなる」「危険な場所で安全に遊ぶのが真の危機管理能力なのに」など、公園制度や自治会問題、世代間対立、子育て論などさまざまな観点からリツイートが寄せられ、3日余りで約1万4千件に上っています。

 籾山さんによると、この公園は仕事場近くにあり、子どもどころか「誰も居なくなっている」とか。脇にはボール遊びや花火、大声を出すことを禁止するボードが掲げられているといいます。ツイートについて「この公園については僕は門外漢で、『たとえ話』として使わせて頂いただけなんです。ただ、僕はいま42歳ですが、さまざまなものが禁止されていくのをリアルタイムで体感してきた世代。子どもにとどまらず、『危ないから』『もめるから』などと、良かれと思って先回りして禁止したり制止したりすること自体の弊害を、問い掛けずにはいられなかった」と打ち明けます。

 籾山さんが育ったのは横浜市内の住宅街。子どもがサッカーや野球、ドッジボールなどに明け暮れていた公園は、ある時から「ボール遊び禁止」になり、ゲートボールの練習場に。そのお年寄りいわく「ゲートボールは遊びではない」だったといい、花火も保護者同伴なら大丈夫だったのが、新しく建ったマンションの住人の苦情で全面禁止になったそうです。

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