「世界初!頭蓋骨博物館」に行ってみたら、やばいスカルが展示されていた

國松 珠実 國松 珠実

兵庫県尼崎市を走る国道2号線沿いに、「世界初!頭蓋骨博物館」の文字と、その横に巨大で立体的な、おどろおどろしい頭蓋骨が飾られた建物が目を引く。「なんだあれは?」と思わず二度見する、それが『シャレコーベ・ミュージアム』だ。シャレコーベとは「しゃれこうべ」、つまり頭蓋骨博物館だ。

近所でも「気になるけど、怖そうだから入ったことがない」という人がほとんど。はたして本当に怖いのか。何があるのか行ってみた。

ミュージアムの壁面の巨大な頭蓋骨のオブジェは、人類最古のヒトとされる「サヘラントロプス」。入口前の庭には、心優しい人種だったというネアンデルタール人の巨大オブジェもある。ちなみに、この庭から眺めるミュージアムの外観が頭蓋骨になっているので必見だ。

ミュージアムは3階建で、中の展示品はすべて頭蓋骨に関するものばかり約1,000点が収蔵。1階は家具やライターなどの生活用品。2階は玩具類が所狭しと並ぶ。センサーや音に反応して、目が光ったり音を発したり腰を振ったりするおもちゃで、子どもも大人も楽しめる。レアな物もあるとのことで、1階も2階もなかなか壮観な眺めだ。

3階は学術的に価値のある古代人類の頭蓋骨の本物やレプリカがずらりと展示され、もっともミュージアムらしい内容になっている。なかでも必見は、ミュージアム誕生のきっかけになったという、本物の人骨にメタル装飾とルビーがはめ込まれたスカル(頭蓋骨)。

他にはインカ帝国の王族の証として、人工的に細長く形作った珍しい変形頭蓋骨や、ターコイズで美しく装飾された巨大スカルも目を引く。レプリカだがパプアニューギニアの乾し首もあり、一つひとつが興味深い。

これらは前館長でこの8月に75歳で亡くなられた、河本圭司氏のコレクション。実際には8,500点ほどあるらしく、ミュージアムにあるのは膨大な中のごく一部というわけだ。「頭蓋骨」をキーワードに、コレクションは分野を問わずボーダレス。河本氏が国内外やネットで購入したり、友人や知人、愛好家から譲り受けたり寄贈品もある。古代人の骨から玩具まで、まとめて見られるのはここだけだそう。関西医科大学で脳神経外科の教授として厳しく学生を指導していた顔とは裏腹に、ミュージアムではいつも笑顔だったという河本氏にとって、ここは趣味と実益を兼ねた桃源郷だったのだろう。

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